失われた6年間/花づな列島復興のためのメモ(237)
参院本会議で、生活、社民、みどりの風の3党が提出した安倍首相の問責決議案が、民主党、みんなの党、日本維新の会が賛成に回って、賛成多数で可決した。
問責の趣旨は以下の通りである。
安倍内閣は、参議院規則第38条第2項に則り正式な手続きを経て開催された参議院予算委員会の出席要求を拒否し、6月24日、25日の両日に渡って同委員会を欠席しました。これは、国務大臣の国会への出席義務を規定した日本国憲法第63条に違反する許しがたい暴挙であります。憲法第九十九条 は、我々国会議員に、そして総理をはじめとする国務大臣に憲法を尊重し擁護する義務を課しております。憲法改正を声高に叫ぶ安倍内閣総理大臣が、憲法違反の行為を平然と行うことを我々は決して黙認してはならないのであります。
http://blogos.com/article/65041/
これにより国会は最終日に空転し、成立予定だった電力システム改革を進める電気事業法改正案や、生活保護の不正受給対策を強化する生活保護法改正案などの重要法案が廃案になる方向だという。
各党の言い分はそれぞれにあるのだろうが、田舎芝居を見せられているような感じは拭えない。
民主党の海江田万里代表と細野豪志幹事長は26日午前、国会内で記者会見し、問責決議可決の場合、法案審議に応じない考えを表明した。参院で少数の与党は、残る重要法案成立のため民主党に協力を求めたが受け入れられなかった。自民党の脇雅史参院国対委員長は参院議員総会で、残る重要法案は廃案になると説明した。
今国会では、区割り改定法に加え、社会保障や税に関する個人情報を1つの番号で管理する共通番号「マイナンバー」制度の関連法などが成立した。
一方、国家安全保障会議(日本版NSC)を設置するための関連法案や、緊急時の在外邦人の陸上輸送を可能とする自衛隊法改正案は継続審議となる。
国会閉幕を受け、安倍晋三首相は26日夕、首相官邸で記者会見する。与野党は参院選に向けた会合を開き、結束を確認する。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130626/plt1306261707006-n1.htm
これにより、参院選のモードにギアが入れ替わるのだろう。
しかし、国民の側は一向に盛り上がっているようには感じられない。
参議院の任期は6年だから、改選されるのは2007年の選挙で選ばれた議員である。
奇しくも、その時も安倍内閣だった。
⇒2007年8月12日 (日):戦後レジームについて
郵政造反組復党問題や年金問題、相次ぐ閣僚の不祥事等が重なったことを主要因として、自由民主党の獲得議席数は37議席と第15回参議院議員通常選挙(1989年)以来の歴史的大敗を喫し、1955年結党以来初めて他党に参議院第一党の座を譲った。改選議席数の確保を目指していた公明党は神奈川県・埼玉県・愛知県の各選挙区で現職議員が落選、比例でも票が伸びず議席を減らした。
一方、野党第1党の民主党は追い風を受け60議席を獲得し、参議院で第一党となった。自民・民主の二大政党の争いに埋没した共産・社民両党は苦戦し、議席を減らした。国民新党は現有議席数を維持し、新党日本は1議席を確保した。非改選議席と合計すると137議席となり、野党は参議院における安定多数を確保した。
Wikipedia-第21回参議院議員通常選挙
その当時とは状況がまったく違う。
私がこの日記(ブログ)を書き始めたのは2007年8月だからその直前ということになる。
この選挙の大敗の影響もあったのだろうが、安倍首相は9月には体調を崩したことにより、退陣を余儀なくされた。
⇒2007年9月13日 (木):安倍辞任をめぐって
記憶をたどれば、当時は長く続いていた自民党中心の政治に倦んでいたといえよう。
その結果が、歴史的ともいえる自民党の大敗であった。
それは2009年の政権交代に繋がっていくが、交代した民主党が余りにお粗末だった。
今、アベノミクスを標榜して、安倍首相は意気軒昂のようである。
前哨戦といわれた都議選も、自公の完勝であり、民主党は共産党よりも少数政党になってしまった。
この情勢のまま、参院の勢力図も定まるのであろうか?
しかし先の静岡県知事選のように、地方では自民党も結構負けている。
⇒2013年6月17日 (月):静岡県知事選の結果と浜岡原発/花づな列島復興のためのメモ(232)
思えばこの選挙が衆参の「ねじれ」の始まりだった。
安倍首相は「ねじれ」が諸悪の根源であるかのような口ぶりであるが、むしろ健全な判断の結果ではなかろうか?
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