東福寺の「青々とした緑」/京都彼方此方(6)
京都で夕方時間があったので、東福寺へ行ってみた。
東福寺と言えば紅葉で有名である。
特に通天橋からの眺めは、紅葉の名所に事欠かない京都でも有数のものであろう。
子供が小さい頃、連れて行ったことがあるが、銀塩写真だったこともあって手許に残っていないので、壁紙サイトから援用する。
http://k-kabegami.sakura.ne.jp/toufukuji/1.html
奥に見えるのが通天橋である。
仏殿から開山堂(常楽庵)に至る渓谷に架けられた橋廊で、1380(天授6)年、春屋妙葩(普明国師)が谷を渡る労苦から僧を救うため架けたといわれる。
拝観受付が16:00までで、境内に入ることはできなかったが、通天橋の方を覗くことはできた。
秋の紅葉は今の季節は青々とした若葉である。
近所のおばさんが犬を連れて散歩しているのに同道して、いろいろ話を聞くことができた。
東福寺への往還は市バスを利用した。
京都は市街地が格子状の街路になっているので、路線バスのルートも見つけやすい。
http://www.tofukuji.jp/haikan.html
新幹線からそれほど距離はないが、緑に包まれた雰囲気でやはり京都は「いい所」と言うべきだろう。
と書いていて、「青々とした」という表現と「緑に包まれた」という表現はどうか?
5行説では、「青」が東にあたる。
四神の青竜は東の守り神である。
高松塚古墳の壁画に青竜が描かれていた。
大相撲でも青房が東である。
季節で言えば、青が春であることは、青春という言葉の通りである。
皇太子のことを東宮と言ったり、日銀総裁の黒田東彦氏の名前を「はるひこ」と読むこともこれに由来するのであろう。
⇒2013年3月 3日 (日):東宮一家の振る舞いの報じられ方/やまとの謎(83)
つまり、若い、未熟な状態が「アオ」である。
青二才とか青野菜のように、である。
そしてその実体は、緑色であることが多いが、「みどり」もまた、生まれたての状態、若々しいさまの形容である。
「みどりご」とか「みどりの黒髪」などのように。
つまり、「あお」と「みどり」は無差別だったのだろう。
有名な「あおによし」という奈良(寧楽、平城)にかかる枕詞は、「青丹よし」ということだが、薬師寺の説明で、「この色が青と丹です」と言われ、得心したことがある。
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