核燃料リスクをどう軽減するか?/花づな列島復興のためのメモ(219)
核燃料サイクルという言葉がある。
Wikipedia-核燃料サイクルを見てみよう。
燃料サイクル(かくねんりょうサイクル)とは、核燃料にかかわる核種および資源の循環を指す。 狭義には核燃料物質特有の核種変換系統を、広義には商用炉を中心とする原子炉用核燃料の製造から再処理と廃棄(核燃料リサイクル、原子燃料サイクルとも言う)を意味する。
多くの場合、ウラン235を巡る後者の意味で用いられ、鉱山からの鉱石(天然ウラン)の採鉱、精錬、同位体の分離濃縮、燃料集合体への加工、原子力発電所での発電、原子炉から出た使用済み核燃料を、再処理して、核燃料として再使用できるようにすること、および放射性廃棄物の処理処分を含む、一連の流れのことである。 鉱山からの鉱石の採鉱から核燃料への加工までをフロントエンド、再処理以降をバックエンドと分けることもある。
原子力発電所から発生する使用済み核燃料中のプルトニウムやウラン235を抽出、」し核燃料として再利用すれば、単に廃棄処分することに比べ多くのエネルギーを産出できる。
このまた、使用済み核燃料のウランやプルトニウムを取り出すことになるため、 放射能が減少し、廃棄物の量が減ることにもなる。
つまり、核燃料サイクルを回すことは、原発を稼働させるための前提条件といってもいいだろう。
核燃料サイクルが順調に回らないと、放射性廃棄物が貯まる一方である。
しかし、わが国の原発においては、この核燃料サイクルが破たんしているのである。
⇒2013年5月18日 (土):「もんじゅ」22年間の運転の実態/原発事故の真相(70)
⇒2012年6月11日 (月):電源構成と核燃料サイクル/花づな列島復興のためのメモ(83)
原電の敦賀原発2号機は、直下に活断層があると認定されたことで、廃炉になる可能性が高まった。
原電は死活問題なのでなお抵抗を続けるであろうが、規制委も存在意義を問われることになるので、原電の希望に関わらず廃炉にせざるを得ないと思われる。
しかし、それで一件落着というわけにはいかないようである。
使用済み核燃料をどうするのか、という問題である。
二十二日の規制委定例会合で、更田(ふけた)豊志委員は2号機に残るリスク(危険性)について、(1)プールが壊れて水が抜け、核燃料の冷却ができなくなる(2)核燃料が損傷し、放射性物質が外部に出る-の二点を指摘した。
2号機は二〇一一年五月に停止し、炉内の核燃料百九十三体はすべてプールに移されている。その意味では、原子炉自体には炉心溶融などの危険性はなくなった。
やっかいなのは、プールで貯蔵されている約千六百体の使用済み核燃料だ。その多くは既に十分冷えており、理屈の上では安全な場所に移すことは可能。ただ、1号機のプールは核燃料の形式が異なるため使えず、原電が東京電力と合同で青森県むつ市に建設中の中間貯蔵施設(空冷式)は、まだ完成していない。
さらに問題なのが、一一年まで使われた百九十三体。使用済み核燃料は、熱い上に強い放射線を放つため、通常三~五年間はプールに入れ、水で放射線を遮蔽(しゃへい)しながら冷やす必要がある。
熱い核燃料であっても、専用の容器を使えば移送はできるというが、空冷式の施設はもっと冷えた状態でないと使えない。行き場はないのが現実だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052590070106.html
矛盾が次々に露呈しており、原発は現時点では未完成の技術とせざるを得ないのではないか。
原発を稼働しなくてもいい省電力を推進する方向に舵を切るべきだ。
もちろん、既存の利益構造とは真っ向から対立するであろうが、客観的な合理性で考えればそうならざるを得ない。
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