グリーンデバイスの開発を急ぐべき/花づな列島復興のためのメモ(213)
敦賀原子力発電所の断層を検証してきた原子力規制委員会の専門家会議が、15日、「2号機の真下を走る断層は活断層である」という報告書を最終的に取りまとめた。
国の指針では、原子炉の真下に活断層があることを認めていない。
事業者が専門家会議の見解を覆せない限り、敦賀原発2号機は運転不能になり、廃炉に追い込まれる可能性がある。
福井県にある敦賀原発の断層について検証してきた、原子力規制委員会の専門家会議は15日午後、会合を開き、事務局の原子力規制庁の職員が「2号機の真下を走る断層は活断層である」という報告書について説明をしました。
このあと専門家から報告書の表現について一部意見が出ましたが、内容そのものに異論は出ず、報告書は最終的に取りまとめられました。
規制委員会の島崎邦彦委員は「安全上重要な構造物の下にある断層がいったん動けば、いきなり深刻な事態が起きてしまう。原発の安全性が低い状態を改善する第一歩が踏み出せた」と述べて成果を強調しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130515/t10014593831000.html
日本原子力発電は、来月までに断層の調査を終えるとしている。
「新たな知見が得られれば」専門家会議は報告書を見直すこともありえるだろうが、現実問題としてどうだろうか?
最終的に決定するのは規制委員会であり、専門家会議の報告書を受けて、来週にも対応を決めるうから、専門家会議のロジックをひっくり返すことも難しいのではないだろうか。
つまり、エネルギー制約を真剣に考えなければならないということである。
敦賀半島の地形図を見てみよう。
http://homepage3.nifty.com/kunihiko/earth/fault/tsuruga/Tsuruga.htm
敦賀半島には、2つの商業発電所と、高速増殖炉の実験炉「もんじゅ」がある。
敷地に沿って細長い尾根状の地形があるが、素人目にもいかにも活断層である。
今とは社会的な事情(むしろ、時代の空気と言うべきかも知れない)が異なるだろうが、よくこんな場所を選んで立地したものだと思う。
現時点では、アベノミクスは意図通りに、あるいは意図を越えて、成果を上げている。
株価と為替レートである。
アベノミクスは、3本の矢から成るといわれる。
http://www.nippon.com/ja/column/g00087/
この政策パッケージにより、20年続いている不況(=デフレ経済)から脱却して、緩やかなインフレに移行しようということである。
現在までの効果は、主として、「大胆な金融緩和」と「機動的な財政出動」という2本の矢に対する期待感の反映であろう。
この短期的な効果を中長期的に持続させようとするならば、3本目の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」が欠かせない。
しかし、民間投資といっても膨大な分野である。
どこに照準を合わせるべきであろうか?
首相自ら主導する産業競争力会議では下記の4分野のターゲットが示されている。
別冊宝島『アベノミクスとは何か?』宝島社(2013年4月)
いずれも喫緊の課題であることは間違いないだろうが、エネルギー問題は欠かせない視点である。
原発の現状(安全性と稼働の可否)や化石エネルギーの諸問題(環境とのトレードオフや持続可能性など)を考えると、省エネと再生可能エネルギーへのシフトが成長戦略の柱になるのではないか。
⇒2012年5月23日 (水):節電の夏とグリーンデバイス/花づな列島復興のためのメモ(71)
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