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2013年5月30日 (木)

アベノミクスの危うさ(2)/花づな列島復興のためのメモ(222)

今日の株式市場も荒れ模様であった。
昨日書いたように、一触即発的不安定感というか、下げる要因を探しているかのようである。

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30日の東京外国為替市場でドル・円は1ドル=100円台半ばまで下落した。日経平均株価が前日比737円安と今年2番の下げ幅を記録、投資家のリスク回避目的の円買いが強まった。午後3時40分現在は、下値メドと見られる25日移動平均線(100円56銭近辺)でいったん下げ止まっている。
15時58分配信 モーニングスター

先週の木曜日に次ぐ下落幅だ。
木曜日ごとの下落である。
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何やら、1929年から始まった大恐慌(世界恐慌)も連想される。

1929年10月24日にニューヨーク証券取引所で株価が大暴落したことを端緒として世界的な規模で各国の経済に波及した金融恐慌、および経済後退が起きた。1929年10月24日は「暗黒の木曜日」(Black Thursday)として知られ、南北戦争に次ぐアメリカの悲劇といわれた。
Wikipedia-世界恐慌

まあ、軽躁にアベノミクスなどと浮かれない方がいいということだろうか。
「新潮45」の佐伯啓思氏のアベノミクス論を見よう。
アベノミクスは、膨大な政府の財政赤字をファイナンスするために、日銀券をどんどん刷る路線に転じた。
イザというときには、政府が日銀を救済するので、日銀券の信用は政府によって保証されている。
同時に、日本の経済そのものが日銀券の価値を保証していることになる。

構造的には、ローの描いた図式と同じことでる。
アベノミクスは日銀券を刷って、金融市場を活性化し、株価を押し上げる
それが日本経済への期待を生み出し、それが日銀券の信用を高める。
そうなれば、日銀券による政府財政のファイナンスをやりやすくする、という図式である。

アベノミクスは、将来の日本経済を3本目の矢である成長戦略によって担保しようとしている。
問題は、目論見通りに、成長戦略によって日本経済が実体的に強くなるかどうかである。

将来の期待が実際に価値を生み出すならば、紙(お札)は金(カネ)に変化する。
将来より大きな価値を生むのなら、「資本」である。
紙を金に変えるから、まさに錬金術である。

ローと同じ時代に、本気で錬金術を研究したのが、アイザック・ニュートンであった。
近代科学の礎を築いた一方で、錬金術に取り組み、さらにはイギリス造幣局長官として、金本位制を確立した。

ところで、佐伯氏は、文化風土との関係で経済を捉えようとしている。
無から金を生み出そうととする発想は、砂漠のなかで生まれたキリスト教やイスラム教をベースにしたものだという。
その象徴がドバイである。

私は行ったことがないが、砂漠の中のドリームランドといった趣である。
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http://blogs.yahoo.co.jp/sakurai4391/36028974.html

私などは、つい「砂上の楼閣」という言葉を連想してしまうが、それは失礼というものだろう。
しかし、昔学生時代に読んだ和辻哲郎の『風土』を読み返したい気分にはなる。


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