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2013年4月14日 (日)

TPPとWindowsXP/花づな列島復興のためのメモ(207)

TPPが具体的に動き出した。
 安倍首相は12日、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に向けた日米間の事前協議で合意し、決着したと発表した。
 米国が日本車にかけている関税の撤廃時期を最大限遅らせることなどが柱で、米政府は近く日本の交渉参加を米議会に通知する。90日間の手続き期間を経た後、日本は7月にもTPP交渉に参加する見通しとなった。
 安倍首相は、主要閣僚会議で「日米の合意は国益を守るものだ。一日も早く交渉に参加して交渉を主導していきたい」とあいさつした。米政府は日本の参加承認を留保していた豪州、ニュージーランド、カナダ、ペルーから日本政府が同意を得られ次第、米議会に通知する。
 焦点となっていた自動車の関税(乗用車2・5%、トラック25%)については、TPP交渉で認められる最も長い期間をかけて撤廃することで決着した。2012年に発効した米国と韓国の自由貿易協定(FTA)では、乗用車は5年、トラックは10年後に米国が関税を撤廃するが、これを上回る時間をかける。

http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/yomiuri-20130412-01060/1.htm
「交渉参加に向けた日米間の事前協議」ということであるが、先行きは果たしてどういうことになるのであろうか?
安倍首相の説明するように、本当に「国益を守るもの」になるのかどうか、どうも不安である。
不安の原因は、TPPというものについて、未だよく分からないことがある。

そもそも、TPPはTrans-Pacific Partnershipの略である。
Trans-Pacificを環太平洋と訳していいのか?

transpacificを辞書で引くと、「on, from the other side of, spanning or crossing the Pacific Ocean」と説明されている。
和訳すれば、太平洋の向こう側の、太平洋を横断して、太平洋をまたいでということになろう。
「環」というのとはニュアンスが異なる。
環太平洋というならば、次のような用例がより相応しいだろう。

an earthquake zone called the Circum-Pan-Pacific Earthquake Belt:環太平洋地震帯という地震頻発地帯

 Trans-Pacific Partnershipというのは、太平洋両岸連携協定と訳すべきだろう。
しかし、実際の交渉参加国は下図のようである。
Tpp2010_11_tpp_sankakoku_1
http://yutakarlson.blogspot.jp/2013/03/tpp.html

まあ、環太平洋というのも間違いないではない気がするが、どうもこの辺りの説明が不十分なような気がする。
不安になる理由は、次のような論説があるからである。
たとえば、中野剛志『TPP亡国論』集英社新書(2011年3月)という書の案内には次のようにある。

TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝した民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。

あるいは、浜田和幸『恐るべきTPPの正体 アメリカの陰謀を暴く 』 角川マーケティング(2011年4月)は次のようである。

2011年、野田首相(菅?)が参加表明したTPP。賛否両論が渦巻いているが、TPPの実態をきちんと説明したものはほとんどない。「TPPはアメリカ政府がアメリカの産業界と一体となり、日本の構造改革を成し遂げようとするために考え出した、アメリカに都合のよい“日本改造計画”に他ならないのである」。その根底には、アメリカの経済・雇用回復のために、日本市場を利用しつくすというアメリカの思惑がある。ならば、日本がTPPに参加すると私たちの生活はどうなってしまうのか。農業問題だけではない、TPPの正体を丁寧に説き明かした一冊である。

これらの書で説かれていることは、安倍首相の説明とは大きく乖離している。
いずれもTPPが話題になり始めた頃の啓蒙書であり、その後状況が変わっているのかも知れない。
しかし、これらの論者が納得したという話も聞こえてこない。

それはともかくとして、不安になる要因の1つとして、マイクロソフト社が「Windows  XP」のサポートを通告したタイミングと重なったことがある。
私もWindowsユーザーである。

現在主に使っているPCは、「Windows  7」であるが、サブというか予備的に使っているものはXPを搭載している。
そして、XPに仕様上の(使用上の)不満があるわけではない。
「Windows 7」マシンも、買い替え時期に「Windows 7」しか売っていなかったから購入しただけで、自分の意志で選択したというわけではない。

Os20130411_ms_01サポート終了まで約1年を切り、移行へのカウントダウンがはじまった「Windows
XP」だが、国内では2000万台以上が稼働していると見られており、今後どのように移行が進んでいくか注目される。
IDC Japanが2012年11月に実施した調査によると、「Windows XP」は、企業や法人において1419万台が稼働。これは全体の3517万台のうち、40.3%にあたり、「Windows 7」の39.9%を上回る割合だ。コンシューマー市場については、4225万台の27.7%にあたる1170万台が「Windows XP」だという。
http://www.security-next.com/039229

報道されているところでは、米国が日本からの輸入車にかける関税は、当面維持されることになった。
また、かんぽ生命保険ががん保険に参入することは、政府が当面認めないとの約束もさせられた。
がん保険は、アメリカの保険会社が強い分野である。
私は農本主義者ではない。
しかし、「食」は生活の基本であるとは思っている。
だから、日本の農家が壊滅するような事態は好ましくないと考える。
事前合意の内容は、多分にアメリカのいいなりのような気がする。
果たして、交渉を「国益を守るもの」にできるのかどうか、不安である。

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