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2013年4月19日 (金)

辰野金吾設計の東京駅の干支

東京駅は、昨年10月1日に、修復復原工事を終えてグランドオープンした。
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南北二つのドーム状の八角形の屋根に干支のレリーフが飾られている。
1945年の東京大空襲で屋根が焼失していたが、八角形の天井の隅に干支のレリーフも復刻された。
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干支は丑、寅、辰、巳、未、申、戌、亥の8つだが、東西南北を示す子(北)、卯(東)、午(南)、酉(西)がいない。
残りはどこにいるか?

その居所が判明したらしい。
佐賀県の国重要文化財「武雄温泉楼門」の4の干支である。
武雄は、辰野の故郷である。

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JR東日本東京支社によると、駅舎に四種の干支がない理由は、当時の資料や記録がなく謎だった。欠けた干支が気になった丸の内駅舎にある東京ステーションホテル社員が三月、楼門を所有する武雄温泉株式会社に「動物の絵はありますか」と問い合わせ、判明した。
 武雄温泉楼門は、丸の内駅舎が完成した翌年の一五年にできた。二階天井の東西南北に、杉板に彫られた四種の干支がある。
 「辰野式」と称される西洋建築で赤れんが造りの東京駅に対し、楼門は和風建築。干支の材質や見た目も異なるが、同社の大宅賢二常務(59)は「東京駅と楼門の完成時期が近く、縁があると感じた」と指摘、関連調査を専門家に依頼することも検討している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013041902000102.html

他愛のないような話だが、機能だけではない建築の「遊び」というものだろう。
「遊び」が減り、ギスギスしている社会だが、ホッとするようなニュースである。

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コメント

東京の大学で建築史を研究しています。世間では、東京駅のレリーフの干支8支と武雄温泉の楼門の干支4支の関連性で盛り上がっておりますが、研究者の見解を述べたいと思います。辰野先生の作品では、干支は良く使われています。第一銀行京都支店(1904~1906)の天井部分や大阪中央公会堂の(1913~1918)の壁の換気口にも、干支は使われておりました。東京駅のドームが八角形だから8つの方角を示す8支(東西南北の正面は壁です。)、武雄温泉の楼門が四角形だから4つの方角を表す4支になっただけであり、辰野先生が意図的に合せて十二支になるようにした可能性はかなり低いと思います。もし組み合わせるのであれば、大阪中央公会堂などの大規模な公共施設と組み合わせたと思われます。JR東日本の大内田さんという方の書いた論文にも掲載されています。今回の話題は、非常に夢のある話だと思いますが、夢の部分が先行しすぎている様な気がします。学術的に十分な調査が必要と思われます。

投稿: 建築史研究しています。 | 2013年4月25日 (木) 17時25分

研究者の方から見ると、証明不能な議論などは価値がないのかも知れません。確かに東京駅のドームは八角形、武雄温泉の楼門は四角形で、偶々であった可能性は十分にあるということかも知れません。
しかし、八+四=十二ということと、それぞれの干支が重複しない形で選ばれていることは、何らかの意図性も匂うような気がします。
南方熊楠の『十二支考』に興味を持ったのと同期したのは本当の偶然ですが、何らかの形で十二支を使いたかったのではないでしょうか?
いずれにせよ、学術的な調査に期待しています。

投稿: 夢幻亭 | 2013年5月 2日 (木) 22時00分

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