イカ釣り漁一斉休業とLED照明/花づな列島復興のためのメモ(211)
「アベノミクス」が急速な円安を招いている。
それは意図したことだから、政府や日銀はさぞかし「してやったり」ということであろう。
しかし、円安がいいとは限らない。
全国漁業協同組合連合会(全漁連)は23日、急激な円安による燃油価格の高騰を受け、加入するイカ釣り漁業者が26、27の2日間、一斉に休漁すると発表した。一斉休漁は2008年以来。政府から一段の支援を引き出すのが狙いで、全漁連などは26日に水産庁を訪れて支援を要請する予定。
記者会見した全漁連の長屋信博常務理事は「景気浮揚策で円安が進んだ。国の政策による影響は、政策で支援をお願いしたい」と述べ、値上がり分を政府が穴埋めするよう要求。「二十六日の動きを見て、ほかの(魚種の)団体も判断するのではないか」と休漁の動きが広がるとの見方を示した。
全漁連によると、休漁するのは小型イカ釣り漁船約四千隻。イカ釣り漁は夜間に照明を使うため、コストの約三割を燃料費が占めるが、燃料に使うA重油の価格は昨年十月に一キロリットル当たり約八万円だったが、二十三日現在は推定で九万二千四百円に値上がりした。今の価格が続けば、年間で一隻あたり七十七万円の赤字になるとしている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013042402000112.html
円安が政府の政策によるものだとしても、「値上がり分の補助を」というのは如何なものだろうか。
同じ補助をするにしても、「値上がり分の補助を」というだけでは、一過性で投資的ではない。
できれば、燃料費の高騰に対抗できるような省エネに資することへ支出した方がいい。
イカ釣り漁船等においては、夜間の漁業に水中照明を使用している。
大光量照明が必要になるが、光量が増えればそれだけエネルギー消費量が増えるので、低消費エネルギー化が課題とされている。
LEDはまさに好適な光源であるが、大光量化しようとして高エネルギー化すると、光に変換されなかったエネルギーが熱となり、熱に弱いLEDが故障、短寿命化、発光効率の低下といった問題を引き起こす。
そのため、熱拡散性に優れた材料の開発が待たれていたが、ようやく実用化の段階に入った。
⇒2012年5月23日 (水):節電の夏とグリーンデバイス/花づな列島復興のためのメモ(71)
また、魚の種類によって好みの光の波長が異なる。
http://lumi-system.jp/column/051-20110705.html
魚灯にLEDをつかえば、魚の種類に合わせた波長を選ぶこともできる。
一石二鳥ならぬ一石(半導体)二利(一漁、一省エネ)である。
一斉休漁を、長期的な視点で生かしたい。
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