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2013年4月18日 (木)

規制委員会よ、お前もか!/原発事故の真相(69)

7月から、原発の新しい規制基準が施行される。
4月8日に、国会事故調査委員会の黒川清・元委員長らが、衆院の原子力問題調査特別委員会に招致され、事故調査について説明した。
驚くべきことに、国会事故調は昨年7月に調査報告書を国会に提出しているが、国会が、国会事故調の元委員から調査についての説明を直接聞くのは初めてだという。
国会が設置した事故調査委員会であるにも関わらず、である。

黒川氏は、地下貯水槽からの放射性汚染水漏れなど相次ぐトラブルを挙げ「事故は明らかにまだ収束していない」と述べた。
⇒2013年3月20日 (水):福島第一原発の停電事故/原発事故の真相(60)
⇒2013年4月 9日 (火):東電の当事者能力の欠如/原発事故の真相(66)
⇒2013年4月15日 (月):福島第一原発の汚染水は他に対策がないのか?/原発事故の真相(68)

また、東電の隠蔽(?)によってできなかった実地調査も実現していないし、被害者に対する対応も進んでいあい、と政府の対応を批判した。
⇒2013年2月 7日 (木):情報の漏洩と事実の隠蔽/原発事故の真相(56)

国会事故調報告書は、調査結果に基づいた7 つの提言をまとめ、提言の実現に向けた実施計画
を速やかに策定することを国会に求めた。
原子力規制機関の監視を目的とした常設委員会を国会に設置すること、規制機関に対して施策実施状況等について国会への報告義務を課すこと、事業者に対して立ち入り調査権を伴う監査体制を国会主導で構築することなど国会の関与を強化する内容であったが、当の国会にどの程度の積極的なスタンスがあるのか、きわめて心許ない感じである。

また、報告書は規制組織について、次のように批判している。

旧経済産業省原子力安全・保安院や内閣府原子力安全委員会について「電気事業者の虜(とりこ)になっていた」

新組織の規制委は大丈夫だろうか?
現に運転している大飯原発に対して、どのような判断を下すのかが、さしあたってリトマス試験紙として機能するのではなかろうか。
新基準案は4月10日に、原子力規制委員会から示された。

Pk2013041102100047_size0 原子力規制委員会は17日、定例会合を開き、国内で唯一稼働している関西電力大飯原発3、4号機(福井県)が、原発の新規制基準に適合しているかどうかについての事前評価について、規制委と事務局の原子力規制庁が中心となって評価を実施することを決めた。田中俊一委員長は「従来(の審査)は外部専門家に任せすぎて、責任がどっかにいっていた。今回は規制委と規制庁が責任をもってやる」と述べた。
・・・・・・
 新基準では各原発で想定される最大の津波に耐えられる防潮堤の設置や、事故時の対応拠点となる免震重要棟の整備を要求。大飯原発ではまだ未整備だが、田中委員長は事前評価で安全上重要な問題がなければ、次の定期検査に入る9月まで運転を認める考えを示している。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013041102000130.html

大飯原発が、7月段階で基準不適合となるのは明らかであろう。
論理的には、運転停止とすべきであろうが、定期検査に入る9月まで、運転を認めるのではないかと言われている。
⇒2013年3月23日 (土):原子力規制委への期待と危惧/原発事故の真相(61)

大飯原発では、作業拠点が完成するのは2015年度中で、関電はそれまでは、代わりの施設として3、4号機の中央制御室の横にある会議室をあてるとしているが、中央制御室は原子炉に近い。
関電は既存の防潮堤を数メートルかさ上げして新基準に対応する考えだが、想定すべき最大級の津波の規模を検討するのはこれからという。
テロや過酷事故の際に通常の制御室とは別に、独立して原子炉を制御・冷却できる「第二制御室」の要求については、5年以内に整備すればよいと猶予期間が設けられた。

 田中氏は「大飯は対策が進んでいる」「(津波よりも)原発の敷地が高い」など予断を持った発言を繰り返す。 十日の記者会見では、一月に「基準を満たしていない場合は、運転を止めてもらう」と発言したことを問われ「どう言ったか覚えていない」とはぐらかし、どんな重大な不適合があれば運転停止を命じるのか問われても「精査してみないと分からない」と述べるにとどまった。
 規制委が自ら決めた新基準。初めて判断を迫られる大飯原発で、例外扱いがまかり通れば、規制委への信頼が大きくゆらぐのは間違いない。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013041102000130.html

これでは、「規制委員会よ、お前もか!」ということになりかねないのではないか。

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