民主党は再生できるか?/民主党とは何だったのか(9)
民主党が、2月24日に、野党転落後初めての党大会を東京都内のホテルで開いた。
その様子は以下のように報じられている。
海江田万里代表は夏の参院選と都議選での党勢回復に向け、組織の立て直しや地方との連携強化に全力を挙げる決意を表明する見通しだ。
・・・・・・
納税者や消費者の立場で「共生社会」を実現することや、「未来志向の憲法を構想していく」との記述を盛り込んだ綱領を決定。09年マニフェスト(政権公約)をめぐる公約違反や、政権運営の稚拙さを衆院選惨敗の原因として指摘した報告書も示す。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130224/stt13022414030003-n1.htm
やっと綱領が決定した。
これで再生に向かって弾みがつくか?
残念ながら、そういう感じは伝わってこない。
火中の栗を拾った形の海江田代表も大変だとは思うが、もっと必死で惨敗の総括をしなければならないのではないか。
海江田代表は、「政権再奪取を目指す」と述べ、「参院選は党の存亡を懸けた戦いとなる」と檄を飛ばしたが、マニフェストという国民との約束を弊衣の如く捨て去ったことを、国民は忘れていない。
総選挙での惨敗は、単なる不支持ではない。
国民は怒っているのであり、さらに嫌悪感すら抱いていたノダ。
政権奪取などは、夢のまた夢と知るべきだろう。
綱領には次のように書いてある。
私たちは、政権交代の実現とその後の総選挙の敗北を受け、あらためて原点を見つめ直し、目指すものを明らかにする。そして道半ばとなった改革を成し遂げるため、必ずや国民政党として再生し、政権に再挑戦する。
http://www.dpj.or.jp/about/dpj/principles
言葉が上滑りしている、というかスイートスポットを捉えていないような気がする。
「原点を見つめ直す」としたが、党大会で採択された「党改革創生本部第一次報告」について、沖縄には次のような厳しい言葉がある。
在沖米軍基地問題について「『普天間』(中略)等、トップによる失敗の連鎖」「普天間に代表される安全保障上の失敗(中略)は国民の不信感をあおる原因となった」と総括した。根本的な認識が誤っていると言わざるを得ない。
普天間飛行場移設問題混迷の原因は、鳩山由紀夫元首相の失敗、すなわち鳩山氏が「最低でも県外」と言ったことが誤りなのではない。政権交代以前、鳩山氏以外の有力者、例えば岡田克也幹事長(当時)や前原誠司副代表(同)らも同様の認識を示していた。問題は、鳩山氏以外の幹部が、首相を支えて公約を守ろうとせず、政権に就くや否や変節したことにある。
4年間は消費税率を上げないという公約をあっさり破ったことも、同根だ。遮二無二公約を守ろうとする気概の欠如が問題なのだ。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-203184-storytopic-11.html
民主党が掲げた政治主導、天下りの根絶、地域主権等の公約は、基本的には今でも多数の支持を得るのではないか。
問題は、掲げた旗と実際にやっていることが全く異なっていたことだ。
民主党は改革の道半ばで政権を失ったのか?
改革の道から逸脱し、そのことにあまりにも鈍感であったから、国民に見放されたのではないか?
「原点を見つめ直す」ことは必要だろうが、掲げた理念をどう共有し、具現化していくのか?
このままでは、野党としての存在感も示せないだろう。
そして夏の参院選でも、後退を余儀なくされることは必定である。
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