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2013年3月18日 (月)

記号(情報)の要件/知的生産の方法(44)

先ごろ亡くなった山口昌男氏は、記号論の紹介者として知られていた。
⇒2013年3月12日 (火):無類の知の渉猟者・山口昌男/追悼(29)

記号論とは何か?
新明解国語辞典(三省堂)は、「記号」について次のように説明している。

記号
その社会で意志伝達のために使われるしるしの総称。[広義では文字を含み、さらに言語をも含む。教義では文字を除外する]

さらに「しるし」については、次のようである。

しるし
①目印
②抽象的な概念を現す約束・(その種類を代表するもの)として決めた具体的な形のあるもの、符号・紋・記章・合図など

われわれの身の回りには、行動を指示したり、なにかを分かりやすく知らせたりする記号に満ちている。
たとえば、交通信号である。
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青(緑)、黄色、赤はそれぞれ進め、注意、停止を意味している。
それぞれはっきり識別できるような色が選ばれている。

この識別できるということが、記号(情報)として機能するための要件である。
バックグラウンドと識別できなければ、そもそも認識できない。
ノイズとシグナルの関係である。

情報の定義は数多くあるが、この可識別性に着目したのが、牧島象二氏の次の定義である。

情報とは、均一なbackgroundの中に、これと区別できる何等かの特徴をいう。ただし、均一とか区別とかは、すべてわれわれの認識の限界内での話とする。
牧島象二『Patternに憑かれて』牧島象二先生記念会(1969)

国旗も代表的な記号の例であろう。
子ども向けのゲームに国旗ゲームというトランプの神経衰弱のようなゲームがある。
国旗のデザインは結構似たものがあり、特に三色旗の中には、識別が難しいものが少なくない。
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上がギニア、下がマリであるが、赤と緑が入れ替わっているだけなので、少なくともわれわれには紛らわしいだろう。
あるいは形を変えた次の国旗。
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ペナンである。
もちろん、当事国にとっては識別し易いのであろうが・・・。

その点、日章旗の可識別性は優れている。
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しかし、次のパラオと似ていると言えなくもないだろう。
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