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2013年3月 6日 (水)

コンセプチュアル・スキルの時代/知的生産の方法(39)

職業人のスキルとして、よく知られているものに、ロバート・カッツが提唱したモデルがある。
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http://www.net-eduket.jp/products/ningenryoku/index.html

スキルを、テクニカル・スキル、ヒューマン・スキル、コンセプチュアル・スキルに区分し、職場での階層に応じて必要とされるスキルのウェイトが変わる、というものである。

テクニカル・スキルは、専門領域の業務を遂行するためのスキルである。
ヒューマン・スキルは、人間関係を上手にやっていくスキルである。
コンセプチュアル・スキルは、モノ・ゴトを抽象化して概念操作を行うためのスキルである。

テクニカル・スキルは専門領域によって異なる。
化学技術者ならば、化学反応や反応速度などであり、技術者としてのレベルが向上するに連れ、より細分化していく。
いわゆる技術者だけでなく、経理や総務などの事務部門でも、上級になるほど細分化したスキルが求められる。

ヒューマン・スキルは、コミュニケーション・スキルと言い換えてもよいであろう。
池上彰さんの『伝える力 (PHPビジネス新書)』(0704)や阿川佐和子さんの『聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)』(1201)などがベストセラーになっているが、コミュニケーション・スキルに対する関心の強さを示している。
ヒューマン・スキルは、すべての階層に求められるから、ベストセラーも生まれやすいのだろう。

コンセプチュアル・スキルというのは捉えどころのないスキルである。
以下のような説明がされている。

コンセプチュアルスキルは、組織や社会の全体を視野に入れながら総合的な情勢判断と政策決定を行う能力のこと。具体的には、組織や社会に関する全般的な知識や論理的思考力および問題解決力などを含む。 またコンセプチュアルスキルは、経営者層、管理者層、監督者層のうち、組織運営の舵取りを行う経営者層で最も重要度が高いとされる。
kotobank

「コンセプチュアルスキルは、経営者層、管理者層、監督者層のうち、組織運営の舵取りを行う経営者層で最も重要度が高いとされる」のは確かであろうが、現代のような情報化が進んだ社会では、テクニカル・スキルとしてコンセプチュアル・スキルが必要とされているともいえる。
私が、このブログで、知的生産の方法として取り上げているものは、コンセプチュアル・スキルとほぼオーバーラップしていると考えている。

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