福島第一原発の停電事故/原発事故の真相(60)
福島第一原発で、18日19時前に停電事故が起きた。
1、3、4号機の使用済み燃料プール代替冷却システムなどが停止した。
http://webnews.asahi.co.jp/ann_s_000002215.html
幸いにして、停止した各号機プールと共用プールの冷却装置は、20日午前0時過ぎまでに復旧し、冷却を再開したと、東電から発表があった。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013031990135557.html
4号機では、4日半の余裕しかなかったわけである。
一昨年の12月、野田前首相が宣言した「事故収束」が、まったく現実的ではないフィクションに過ぎないことが露呈した。
⇒2011年12月17日 (土):フクシマは「収束」したのか?/原発事故の真相(14)でんの
停電の原因は何なのか?
東京電力が調べたところ、外部の送電線から電気を受けている3つの配電盤が停止していて、このうち2つの配電盤で復旧や切り替えなどを行った結果、停電からおよそ28時間たった19日午後10時43分までに、1号機と4号機、それに3号機の使用済み燃料プールで冷却システムが順次復旧しました。
東京電力は、その後、ほかの配電盤の切り替えなど復旧作業を続け、残る共用プールの冷却システムの運転を20日午前0時12分に再開させ、今回停止したすべての冷却システムを復旧させました。
一方で、東京電力は、今回停止した配電盤のうち、残る1つで異常があったとみて調べていますが、目立った損傷などはなく、トラブルの原因はいまだに分かっていません。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130320/k10013326961000.html
要するに、現時点で原因は分からないということだ。
ネズミのような小動物が原因ではないかとも言われている。
原因が特定できないということは、何時また再発するのかも分からないということだろう。
そして、停電は復旧したが、冷却システムの配電盤には予備が用意されていないという事実も。
発表のタイミングも問題ではないか?
事態発生から発表まで3時間が経過していた。
東京電力は発表が遅れたことについて「設備の状況を確認したうえで取りまとめて発表しようとしていたが確認に時間がかかってしまった。大変申し訳ない」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130318/k10013290991000.html
第一報は、「取りまとめて」発表するのではなく、最悪事態の予測も含めた速報性が求められる。
東京電力の隠蔽体質は少しも変わっていないと見られても仕方がないだろう。
この2年間は何だったのだろう。
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