論理が先か感情が先か?/知的生産の方法(40)
組織は人間の発明の中でも最大級であるといわれる。
そして、組織がうまく機能するためには、マネジメントが必要だとした。
P.ドラッカーは、次のように言っている(エターナルコレクション版『マネジメント<下>』(1973年)P.302)
社会的な目的を達成するための手段としての組織の発明は、人類の歴史にとって一万年前の労働の分化に匹敵する重要さをもつ。組織の基盤となる原理は、「私的な悪徳は公益となる」ではない。「私的な強みは公益になる」である。これがマネジメントの正統性の根拠である。マネジメントの権限の基盤となりうる正統性である。
http://blog.livedoor.jp/pfd/archives/cat_50012761.html?p=2
組織の中で仕事をするためには、他人との意思の疎通・コミュニケーションが不可欠である。
コミュニケーションを促進するファシリテーターの役割が重要化しつつある。
⇒2011年2月 9日 (水):ファシリテーターと理路の見える化/知的生産の方法(10)
コミュニケーションというような作用は、脳の高次機能といわれる働きによる。
回復期のリハビリ病院における私の主治医は、西大條学先生であった。
西大條先生の著書『「恐竜の脳」で生きる/野生への回帰が人を強くする』太陽企画出版(9310)については触れたことがある。
⇒2010年4月25日 (日):恐竜の脳」の話(1)最近の政局をめぐって
脳の構造については、菅原美千子『ロジックだけでは思いは伝わらない! 「共感」で人を動かす話し方』日本実業出版社(1001)に次のような図が載っている。
脳の進化は、爬虫類の脳⇒哺乳類の脳⇒人間の脳という順に発達してきた。
爬虫類の脳は、脳幹・視床下部と呼ばれる部位である。
呼吸・心拍・血圧など生命維持にかかわる機能を司る。
哺乳類の脳は、大脳辺縁系にある。
「好き・嫌い」などの原始的な感情を司る扁桃体や、記憶をを司る海馬から成る。
人間の脳は、大脳新皮質にあって、思考活動を司っている。
脳の中で一番早く反応するのが大脳辺縁系の扁桃体だという。
つまり感情を司る部位である。
第一印象は「好き・嫌い」で決まるということである。
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