2年という時間の長さと短さ/花づな列島復興のためのメモ(199)
東日本大震災から丸2年である。
もう2年かという思いと、まだ2年かという思いが交錯する。
朝から、メディアは震災特集一色である。
東日本大震災は、誤解を恐れずに端的にいえば、巨大津波と原発災害ということになろう。
前者は天災であり、後者は人災である。
津波については、その発生自体を防ぐことはできない。
そして、その巨大な破壊力はTVの映像等を通して理解できたつもりである。
児童と教職員計84人が死亡・行方不明となった大川小学校を訪ねたときの様子は衝撃的であった。
⇒2012年8月27日 (月):大川小学校の悲劇と避難誘導の難しさ/因果関係論(20)・みちのく探訪(1)
自然現象としての津波は不可避だとしても、災害の大きさは対応の仕方如何で変わってくる。
辛いことではあっても、しっかりと検証することが亡くなった児童たちの冥福のためにも重要であろう。
原発災害の真因については未だ曖昧である。
これだけの災害が、津波によるものであることは間違いないにせよ、果たして津波がなければ安全だったのか?
主要な4つの事故調査報告書でも、国会事故調の報告書では、重要な機器・配管類の損壊が、津波ではなく地震により起きた可能性を、全面的には否定できない、というものであった。
⇒2012年7月21日 (土):原因を「想定外の津波」に限定していいか?/原発事故の真相(40)
⇒2012年7月25日 (水):政府事故調の報告書/原発事故の真相(41)
しかも、その国会事故調の現地調査を、東電が妨害したとみられる事実が発覚している。
⇒2013年2月 7日 (木):情報の漏洩と事実の隠蔽/原発事故の真相(56)
民主党の野田政権も、自民党の安倍政権も、事故の真因が不明確なままに、原発を再稼働させ、積極的に活用しようというスタンスである。
私には、「国民の生活を守るため」と言って、こともあろうに「国民安全の日」に大飯原発を再起動させた野田前首相の言葉を忘れまい。
⇒2012年7月 2日 (月):「国民安全の日」に大飯原発を再起動させる無神経/花づな列島復興のためのメモ(100)
東日本大震災による被災者数は以下の通りと報じられている。
東京新聞2013年3月11日
いまなお31万5196人の人が、避難生活を送っているのである。
そして、上記によれば原発関連死として、789人が数えられている。
これは、原発事故に伴う避難やストレスによる体調悪化などで死亡したケースを、同紙が市町村に該当者数を取材した数値である。
なお、「震災関連死」とは、建物の倒壊や火災、津波など地震による直接的な被害ではなく、その後の避難生活での体調悪化や過労など間接的な原因で死亡すること、と定義されている。
上表の数値は宮城、岩手、福島3県の数値であるが、福島県は1337人を占めている(10日現在)。
同紙によれば、認定数の多さだけではなく、影響が長期に及んでいるのも福島の特徴だ。
震災後1年目と2年目の震災関連死の認定数は以下のようだ。
福島 761 576
宮城 636 220
岩手 193 168
福島の震災関連死≒原発関連死なのだ。
原発事故は収束した、という言い方がいかに欺瞞的であるかが数字的にもはっきりしている。
⇒2011年12月17日 (土):フクシマは「収束」したのか?/原発事故の真相(14)
⇒2012年3月28日 (水):冷温停止の大本営発表/原発事故の真相(22)
⇒2012年6月21日 (木):福島原発事故「収束」宣言と消費税/花づな列島復興のためのメモ(90)
原発即時廃止こそが、花づな列島復興の条件ではなかろうか?
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