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2013年1月11日 (金)

除染の実態/原発事故の真相(53)

「福島の復興なくして、日本の復興なし」と野田前首相は言った。
果して「福島の復興」は、どんな状況だろうか?

共同通信記者を務めた後、いわき市で会社員として勤務しながら、地域の未来について考える市民活動に参加している伊藤江梨さんという人が、福島の現況について、『ふくしまはいま、どんな状況なのか―若手世代が内側から見つめて』という寄稿を共同通信に載せている。
福島市で「ふくしま会議2012」が、昨年11月9~11日に開催された。
一昨年の第1回のふくしま会議のテーマは「分断と対立」だった。

よく知られているように、福島は、浜通り、中通り、会津という3つの地域で、風土や文化が相当異なっている。
私は学生の頃、浜通りの会社で工場実習をした経験があるが、比較的東京圏の影響を受けているといわれる浜通りでも、ネイティブ同士の会話はほとんどヒヤリング不能であった。
さすがに現在ではそんなことはないだろうが、先日、浜通り出身の若い知人と話をしていたら、会津の大学に進んだ彼は、当初会話がかなり困難だったと言っていた。
かように、福島といっても、多様であるので、震災後に福島の中の「分断と対立」がテーマになったのは、理解できる。
昨年は「子どもたちの未来のために」というテーマで行われた。

 一方で、警戒区域の避難者からの声があがることはなかった。着の身着のままで、行方不明の身内や家財道具一切合財を置いたまま避難し、いまも家から何十キロも離れた土地で暮らし、これから帰るめども全く立たずにいる避難者。まだ1年8か月。その間には原発城下町として、又は、賠償金受給者として、バッシングもたくさんあった。もしかしたら、整理のつかない混乱と喪失感とがまだ続いているのかもしれないが、それが語られることはまだ少ない。今も声を出せない人の声をまだ私は拾い切れていない。
……
 放射線量が高く、計画的避難区域に指定された飯館村では、村長が掲げる帰村や除染の方針について意見の違いが解消されないままにあるが、10月の村長選では現職の村長が無投票で再選。村民が避難する葛尾村長選も現職が74歳で7選目を果たした。衆院選では、投票率が過去最低を更新。自民党元職候補者が返り咲き、また従来通りの地元利益誘導や政治闘争が繰り返されるだろうと冷めた目線を送る市民は多い。

飯飯館村等の除染についてはさまざまな問題点が指摘されている。
田坂広志『官邸から見た原発事故の真実 これから始まる真の危機』光文社新書(1201)には、「除染について理解しておくべきこと」として、次の3点が挙げられている。
1.除染によって放射能が無くなるわけではない
2.すべての環境が除染できるわけでは
3.除染の効果があったかどうかは、分からない

3.については、放射線量の測定はできても、長期的健康被害に対する影響は分からない、ということである。
飯舘村民を対象としたアンケートでは、回答者の7割近くが、国が実施している除染の目標を達成しても帰村しないと回答している。
130111
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013011102000115.html

非難を余儀なくされている飯舘村民は、除染よりも生活再建支援を求めているといえる。
加えて、国直轄の除染事業で、下請け業者が、作業員の日給から半ば強制的に宿泊代や食事代を天引きし、国が支給する危険手当の一万円のほかは、一日千円程度しか支払っていない実態が明らかになった。
130111_2
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013011190070424.html

制度の趣旨から逸脱した不法行為である。
このようなダークサイドのビジネスが、復興の美名の下に行われている。
復興の道のりは遠い。

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コメント

原発 除染業者 日給 で ウェーブ 検索中です
1月11日 中日新聞で 国の危険手当1万円あてに除染業者 日給支払い1千円 宿泊・食事名目 次々天引き という記事を 読みました。
恐ろしいですね。そういう労働条件で 働く人達がいるのだろうか?
1日 何時間労働なのだろうか?
辞めることは できないのだろうか?貯金 小遣い借金~。帰れないのかなぁ?
仕事研究会(名前検討中 政治研究会(名前検討中
みんなが 事実を 知ることから~労働法~労災~司法とは~政治とは~役所~市会議員~県会議員~職安~職業監督署~市警~県警~労働大臣~総理大臣~

投稿: 村石太ダー&コピーマン&ジャニーズ仮面 | 2013年1月12日 (土) 12時55分

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