除染の実態(続)-汚染の拡散と健診の不正/原発事故の真相(54)
原発事故で汚染された地域の除染作業が行われている。
しかし、次々にその問題点が明らかにされつつある。
その一端について触れたが、氷山の一角に過ぎないようである。
⇒2013年1月11日 (金):除染の実態/原発事故の真相(53)
問題点の1つは、除染作業そのものについてである。
国が直轄で行っている除染で、除去土壌や枝葉が川に捨てられるなど不適正に処理されているとの指摘があった。
指摘があったのは、福島県田村市、楢葉町、飯舘村の3市町村の除染現場。環境省の除染ガイドラインでは、除染で発生した放射性廃棄物は飛散防止のため、袋詰めなどの措置を取るよう求め、特措法で不法投棄を禁じている。しかし、一部の請負業者が、落ち葉などを川や崖下に捨てた疑いがあるとの指摘があり、環境省は来週中にも元請けゼネコンの現場責任者を環境省福島環境再生事務所(福島市)に呼び、事実関係を確認することにした。
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130105ddm012040135000c.html
これでは、飛散防止どころか、汚染の拡散である。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2699.html
問題点の第二は、除染事業における作業員への給与・手当の支払いに関してである。
作業員の健康診断や安全講習の費用は国から出るにもかかわらず、業者が作業員本人に負担させていたことが分かった。
被ばくの危険がある除染作業では、業者は作業員を雇う際に、白血球の数など詳細な健康診断を受けさせるよう国の規則で義務付けている。除染作業には不可欠の草刈り機も、使うには安全講習を受ける必要がある。
福島県田村市で除染に従事している作業員らによると、採用の際に健康診断や講習を受け、その場で費用を自分で支払ったり、いったんは業者が支払った後に「立て替え金」として給料から天引きされた人が多くいた。
しかし、健康診断も講習も、費用は放射線防護や安全管理に必要な経費として、発注元の国が業者に支払うことになっている。業者の負担はないため、作業員に費用を負担させれば、その徴収分は業者の不当利得になる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013011302000086.html
熱力学の教えるように、放置すれば汚染は拡散する。
除染で発生した放射性廃棄物を袋詰するなどの措置を取るのは、汚染を拡散させないためである。
熱力学的には、エントロピーの増大を防ぐということである。
そのためには、汚染された物質をあつめて集中的に処理することではないか。
⇒2012年12月30日 (日):土壌中の放射性セシウム除去の新技術/花づな列島復興のためのメモ(180)
除染の実態は、犯罪行為の横行ではないか?
原発のコストとして、事故が発生した場合の処理費用を適正に見積もることが必要であろう。
確率が小さくても、無限大に近い費用であることを認識すべきだ。
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