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2013年1月29日 (火)

敦賀原発の活断層とアベノミクス/花づな列島復興のためのメモ(185)

原子力規制委員会の専門家チームは、敦賀原発直下の断層が活断層の可能性が高いとの評価報告書案を大筋で了承した。

130129_2 報告書案は、規制委の島崎邦彦委員長代理が中心になってまとめた。チームは、敷地内にある原子炉近くを通る大きな活断層「浦底断層」と、D-1断層が交わるとみられる地点に掘られた試掘溝で確認した地層のずれに着目した。
 このずれをたどっていくと、約九万五千年前の火山灰を含む地層より少し古い年代の地層に動いた痕跡があった。このことから、指針が今後も動く活断層の条件にしている「十二万~十三万年前以降に活動した可能性を否定できない断層」に当たると判断した。
 ずれはD-1断層とされる部分の近くにあり、ずれの方向などが似ており、「D-1断層かその延長部」と判断された。浦底断層が動けば、誘発されて動き、「直上の重要な施設に影響を与える恐れがある断層」と結論づけた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013012902000113.html

国の指針では、動く可能性がある活断層の上に原発の重要施設を建設することを禁じている。
規制委の田中俊一委員長も、原発直下を活断層が通っている場合、再稼働を認めない方針を示しているので、活断層を否定する決定的な証拠が出てこない限り、2号機の運転は不可能ということになる。
⇒2012年12月11日 (火):敦賀原発は廃炉へ/花づな列島復興のためのメモ(172)

時を同じくして、安倍首相が、第二次安倍内閣としての所信表明演説を行った。

 第183通常国会が28日召集され、安倍晋三首相は午後の衆院本会議で、第2次安倍内閣として初の所信表明演説を行った。首相は経済再生を「最大かつ喫緊の課題」と位置付け、デフレ脱却と円高是正によって「強い経済」を取り戻す決意を表明。日本人10人が犠牲になったアルジェリア人質事件について「痛恨の極みだ。テロ行為は決して許されない。国際社会と連携し、テロと闘い続ける」と訴えた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130128-00000036-mai-pol

経済再生に集中というところだろう。
いわゆるアベノミクスについては、さまざまな意見があるようである。
しかし気にかかるのは、被災地復興についての簡略さが目立つことと、原発事故を受けて今後の原子力政策をどうするかについての明示的な言及がないことである。
エネルギーと経済は切り離せない。

今までのスタンスを考えると、基本的には原発推進の立場であろう。
⇒2012年12月29日 (土):安倍政権と原発政策/花づな列島復興のためのメモ(179)
政府としても、規制委の結論に反して、原発を稼働はできないであろうが、今後の原子力政策をどう考えるのか?
もはや曖昧なままにしておくことはできまい。
アベノミクスは、今のところ高い支持率を獲得しているように見える。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が26、27両日に実施した合同世論調査で、第2次安倍晋三内閣の支持率は、政権発足時の前回調査(昨年12月26、27両日)から9・5ポイント上昇し64・5%となった。不支持率は20・9%で前回比7・3ポイント減少した。2%の物価目標を柱とする日銀との共同声明や緊急経済対策など経済再生に向けた「ロケットスタート」の“実績”が評価された。
 第1次安倍内閣以降の歴代内閣の支持率を見ると、いずれも発足後には下降する傾向がある。第1次安倍内閣も発足時は63・9%だったが、2カ月後の次回調査では47・7%に減少していた。
 政権が掲げる個別の政策について尋ねたところ、日銀との物価目標の共同声明を60・7%が評価したのをはじめ、緊急経済対策や防災対策を中心にした公共事業費拡大、防衛費増額も評価する回答が上回った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130128-00000514-san-pol

私は、高い支持率のアキレス腱は、原発問題にあると考える。
長期的なエネルギー源の構成の他に、中間貯蔵施設の問題、福島第1原発事故の収束の方針等、いずれも一筋縄では解決しない。
安倍政権の真価は、日本の叡智が問われるこれらの課題にどう答えを出すのかによって定まるといえよう。

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