デジタルとアナログ/「同じ」と「違う」(54)
「キレ」の思考の「キレる」という言葉で連想するのは、最近では「すぐキレる」というような用法だろうか?
Wikipediaでは、「主に対人関係において昂ぶった怒りの感情が、我慢の限界を超えて一気に露わになる様子を表す、日本の俗語。同義の言葉には「激昂」「激高」などがある」と説明されている。
「感情が我慢の限界を超えて露わになる」つまり、感情失禁は、脳血管障害患者の後遺症の1つである。
⇒2012年11月11日 (日):感情失禁について/闘病記・中間報告(55)
しかし、「キレる」という場合は、ちょっと違うようである。
あるサイトでは、若者がキレるメカニズムを次のように説明していた。
人の目を気にして表面的にイイ子を演じて無気力になり、責任転嫁と妬みを増長させる責任論、そして、真面目で不器用で失敗に対する免疫がない…
どうでしょうか?これらの化学反応でキレる若者が誕生すると思いませんか?
http://motor.geocities.jp/w126_legend_bentley_rolls_royce/newpage120.html
このような「キレ」はマイナスイメージのものであるが、従前は、「切れる男」といえば、ビジネスパーソンかくあるべし、のプラスイメージのものであった。
要は「切れ味がいい」人間ということであろうが、Goo辞書では、以下のように説明している。
12
㋐刃物の切れ味が鋭い。「よく―・れる刀」
㋑見事な効果を示す。「技が―・れる」
㋒頭の働きが速く、物事をてきぱきと処理する能力にすぐれる。「頭が―・れる」「―・れる男」
もともとの意味は、最初に出てくる説明であろう。
1 力が加わって、ひと続きのもの、つながっているものなどが分かれる。「ひもが―・れる」「緊張の糸が―・れる」
デジタルという言葉は、digitからきている。
digitは、以下の通り(http://ejje.weblio.jp/content/digit)。
例えば、空に架かる美しい虹は、連続しているスペクトルであるが、われわれはこれを「7色」として認識する。
「セキ・トウ・オウ・リョク・セイ・ラン・シ=赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」である。
これらの色は、可視光線の波長に対応している。
赤が長波長側、紫が短波長側で、赤の外側(長波長)に赤外線が、紫の外側(短波長)に紫外線がある。
赤外、紫外は目に見えない。
http://www1.odn.ne.jp/haru/data-other/rainbow.html
元の虹のスペクトルは連続している。
つまり、アナログ量である。
比例を表すギリシャ語analogosが語源である。
パソコンなどの電子機器は、データを電気信号にして処理する。
信号は決めごとなので便利なように作ればよい。
例えば、虹は7色であるが、交通信号は「赤・黄・緑(青)」の3種類である。
必要性を満たした上で、なるべく単純にした方が操作性が良い。
「0,1」や「on,0ff」や電圧が「高い,低い」などでる。
例えば、オーディオ機器では、アナログの波形を以下のようにデジタル化している。
アナログ情報をデジタル化することが、今日の高度情報化といわれる社会を築いた原動力であろう。
デジタル化のメリットは次のように説明されている。
デジタルオーディオ信号ならば、例えばパソコンを使って録音や編集をすることもできるので便利です。
また、たった12cm径のCDに74分間の音楽を記録でき、さらにデジタル圧縮処理することで、
同じ長さの音楽をもっと小さな径のMD等に記録できます。
このようにデジタル信号は圧縮ができるので、大量の情報を保存するのにも便利です。
音だけでなく、もっと情報量の多い映像信号も圧縮技術を利用することで高速に記録や通信ができます。
特に通信では、1本の配線で複数の情報を通信するデジタル多重双方向通信が実現できます。
そして、電気信号の他にレーザー光による光通信もできるので、非常に高速で通信ができます。
http://www.amei.or.jp/report/DR_Div/base.htm
デジタル化と文明の発展とは切り離せない。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 藤井太洋『東京の子』/私撰アンソロジー(56)(2019.04.07)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
- 日本文学への深い愛・ドナルドキーン/追悼(138)(2019.02.24)
- 秀才かつクリエイティブ・堺屋太一/追悼(137)(2019.02.11)
- 自然と命の画家・堀文子/追悼(136)(2019.02.09)
「思考技術」カテゴリの記事
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 横畠内閣法制局長官の不遜/安部政権の命運(91)(2019.03.12)
- 安倍首相の「法の支配」認識/安部政権の命運(89)(2019.03.10)
「「同じ」と「違う」」カテゴリの記事
- インテンシブとエクステンシブ/「同じ」と「違う」(106)(2017.09.15)
- 切れ者とキレる人/「同じ」と「違う」(105)(2017.08.17)
- 「戦闘」と「武力衝突」/「同じ」と「違う」(103)(2017.02.12)
- 「計画:PLAN」と「実行:DO」/「同じ」と「違う」(104)(2017.02.14)
- 不時着と墜落/「同じ」と「違う」(102)(2016.12.26)
「知的生産の方法」カテゴリの記事
- 『日日是好日と「分かる」ということ/知的生産の方法(182)(2019.01.02)
- 祝・本庶佑京大特別教授ノーベル賞受賞/知的生産の方法(180)(2018.10.02)
- この問題は、本当の問題です/知的生産の方法(179)(2018.09.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント