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2012年12月17日 (月)

総選挙の結果をどう見るか?/花づな列島復興のためのメモ(175)

総選挙の結果が明らかになった。
自民党の雪崩的な圧勝である。
自公で3分の2以上に達し、政策ごとに民主党や日本維新の会と連携すれば、安倍政権はほとんどフリーハンドである。
これが国民の選択の結果である。

私はこの結果に大きな危惧と不安感を覚えるが、いま多数の選択を非難するつもりはない。
ただ、有権者は、はたして何を選択したのだろうか、ということが疑問として残る。

今回の総選挙は、私にとっては大きな意味を持つものであった。
1つは、東日本大震災という未曽有の体験をした後に、国民はどういう選択をするのだろうか、という関心である。
もう1つは、脳梗塞の発症という個人史的な大事件の後の最初の総選挙であるということだ。
身体障害者の身になってみると、社会のあり様がまた違った視点で見えてくる。
多くの人々は親切で優しく接してくれることは予想外であったが、特に古い公共的な建物などにおいて、バリアが結構存在するのだ。

今回の総選挙は、前回の政権交代総選挙と対比すると、あたかもオセロゲームのように、民主党と自民党の立場が逆転した。
前回落選した自民党の元職等が次々と復活を遂げ、一方では民主党の議員の落選が相次いだ。
樽床総務大臣や田中文科大臣、藤村官房長官などの現職閣僚や仙谷元官房長官のような「実力者」が枕を並べて討ち死にした。

それは、一種の既視感を伴うものでもあった。
今回総選挙に、熱気とか盛り上がりが感じられなかったのも、この既視感の故ではなかろうか。
投票率が低かったのも、新鮮さが欠けることが理由の1つであろう。

民主党政権の3人の首相のうち、鳩山氏は引退に追い込まれ、管氏は小選挙区で敗北し辛うじて比例区でギリギリ復活当選した。
いかに民主党に対する批判が強いかを物語るものであろう。
その責任は、3年4月の民主党という政党のあり様が負うべきであろうが、野田現首相の責任は最も重いと考えられる。
自民党野田派か、と揶揄されるほどに、政権交代の大義を無視してきたからである。
⇒2012年6月 4日 (月):乾坤一擲の覚悟で自民党に擦り寄る野田首相を嗤う/花づな列島復興のためのメモ(76)
⇒2012年6月10日 (日):政権は自民党野田派か?/花づな列島復興のためのメモ(82)

オセロゲームのような結果になったのは、小選挙区制という制度も大きな要因であろう。
各選挙区で1人しか当選者を認めない小選挙区制では、今回のように多数の政党が競う選挙戦では、いわゆる死に票が多く発生するであろうことは、予測されていたことであった。
⇒2012年12月 6日 (木):代議制民主主義の功罪/花づな列島復興のためのメモ(170)

私は、価値観が多様化している時代であればこそ、多数の政党が存立するのは悪いことではないと考える。
今回の総選挙はまさに多数政党による争いであった。
しかし、政党の基本的なスタンスはいくつかの軸によって整理され、大別される。
たとえば、タカ派-ハト派、公助-自助などである。
⇒2012年12月 3日 (月):総選挙における各党のポジショニング/花づな列島復興のためのメモ(167)

これらを括る軸として考えられるのが、リベラル-非リベラルであろう。
今回の総選挙では、維新が太陽の党(旧立ち上がれ日本)が合流した結果、自民党と維新の政策がが近づいた。
また、野田政権下の民主党は自民党と無差別に近くなった。
⇒2012年9月21日 (金):野田氏のポジショニングは自民党総裁候補と無差別

この結果、政策を競うべき、自民党、民主党、日本維新の会が、非リベラルという点でほとんど無差別となった。
ある程度の人数を確保できそうで、リベラル色が残っているのは、日本未来の党くらいしかなかった。
121203
東京新聞2012年12月3日

その日本未来の党も、結果的には弱小政党にしかならなかった。
真正面から脱(卒)原発を打ち出しただけに、もう少し浸透する時間が欲しいところだった。
公明党は宗教色から特殊な存在と考えると、基軸的政党の自民、民主、維新が、すべて非リベラルという状況をどう見るか?

私が気になるのは、「リベラルの退潮」という現象が、中長期的に定着した流れなのかどうか、ということである。
民主党が自民党に比べればリベラル色が濃かったのは確かであろう。
しかし、民主党を否定すること=リベラルを否定すること、であってはならないだろう。
⇒2012年12月 3日 (月):総選挙における各党のポジショニング/花づな列島復興のためのメモ(167)

時代の深層底流は果たして、非リベラルの方向に向かっているのだろうか?
⇒2012年12月10日 (月):深層底流の読み方/知的生産の方法(27)

現在、尖閣や竹島などの領土問題により、どうしてもナショナリズムに流されがちである。
戦後史の中で生きてきた私には、それは危うい傾向ではないかと思う。

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コメント

自公 原発で ブログ 検索中です。
自民党と公明党の原発政策の違いがあった今回の投票前だった。(新聞などによる~)自公復権になるのかなぁ。公共施設 ゼネコン~東京都知事~
選挙 投票も 仕事~低い投票率~
政治研究会(名前検討中

投稿: 村石太ダー&コピペマン | 2012年12月19日 (水) 12時20分

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