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2012年12月11日 (火)

敦賀原発は廃炉へ/花づな列島復興のためのメモ(172)

日本原子力発電・敦賀原子力発電所の敷地内の破砕帯が、活断層である可能性が高いと、原子力規制委員会の専門家会合で結論づけられた。
敦賀原発1号機は、わが国で2番目に古い商用の原発施設である。
1969年に臨界に達し、1970年より営業運転を行ってきた。
121211
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121211-OYO1T00247.htm?from=top

危険な場所で原発を長年にわたり稼働させてきたわけであり、ぞっとする事態である。
原発を巡っては、総選挙でも、政党の主張は原発容認(推進)と脱(卒)原発に大きく分かれている。
⇒2012年12月 5日 (水):争点としての原発政策/花づな列島復興のためのメモ(169)

東京電力は、福島第1原発事故で「想定外」ということを強調したが、国は活断層の真上に原子炉など重要施設を置くことを「想定していない」との文言で禁止している。
日本原子力発電は、このような実態を「想定外」というのだろうか?

破砕帯とは、以下のようなものである。

断層運動により,地層あるいは岩石が粉々に砕かれた部分が一定の幅をもち,一定の方向に延びている場合,その部分を破砕帯という。幅数cmの場合から数百mの場合まである。大規模な断層には大規模な破砕帯を伴う場合が多く,このため,何々断層といわず何々破砕帯ということもある(たとえば,棚倉破砕帯やメンドシノ破砕帯など)。破砕帯の岩石は強度が低いため,地すべりの原因となることがある(これを破砕帯地すべりと呼ぶ)。
http://kotobank.jp/word/%E7%A0%B4%E7%A0%95%E5%B8%AF

昔、石原裕次郎が主演した『黒部の太陽』という映画で一躍有名になった。
破砕帯が存在するということは、地層に応力が発生しているということである。
活断層であるか否かは定義の問題も絡んでくるが、基本的には堅い地盤とは言い難い。
笹子トンネルにも破砕帯が存在することが知られている。
崩落事故と破砕帯の因果関係は分からないが、東北地方太平洋沖地震のような大規模地震が発生した後では、破砕帯が存在する付近の人工物は、入念な安全検査が必要だっただろう。
⇒2012年12月 6日 (木):代議制民主主義の功罪/花づな列島復興のためのメモ(170)

なんでこんな危険な場所に原発を作ったのだろう?
現時点で考えれば不思議な感じがするが、国策として原発を推進しようという流れの中で、地元からの強い要望もあったのだろう。
しかし、東日本大震災を体験した以上、従来の延長線上で原発政策を考えることはできない。
常識的に考えれば、廃炉にせざるを得ないだろう。

敦賀原発が廃炉になる公算が大きくなったことで、いずれ噴き出すのが、日本原電の経営問題と国の責任のあり方。
経済産業省の試算では、日本原電の3基の原発が全て廃炉となった場合、2,500億円規模の損失が生じる見通し。
また、敷地内に断層問題がある以上、すでに1,400億円をつぎ込んでいる敦賀3・4号機の建設続行は、絶望的な情勢となっている。
巨額の債務を抱えた日本原電の経営が立ち行かなくなるのは、必至の情勢だが、そもそも原子炉の設置許可を出したのは、当時の国だった。
今後、国は、規制委員会の「クロ判定」の責任を、廃炉費用を肩代わりするなどで背負わざるを得ないとみられる。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00236871.html

総選挙は、原発についての国民的判断を示す最初の機会である。
選挙期間に行われた世論調査では、原発容認・推進を掲げる自民党が過半数の議席を獲得する勢いだという。
これに石原党首が原発是認の日本維新の会と合わせれば、確実に多数派となるだろう。
しかし、原発に限ってみれば、脱原発派の国民が多数であると考えられる。
多数の国民を「反民主党→自民党の消極的支持→原発容認≠民意」という形にしてしまいそうな民主党の罪は大きいと言わざるを得ない。

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