« 魏使の行程のアポリアとしての「水行十日陸行一月」/邪馬台国所在地論 | トップページ | 師走の街に流れるトーンチャイムの音色 »

2012年12月 8日 (土)

「ヒヤリハット」が続く日本列島/花づな列島復興のためのメモ(171)

昭和16(1941)年の12月8日午前7時、NHKラジオから臨時ニュースが流れた。

臨時ニュースヲ申シ上ゲマス。臨時ニュースヲ申シ上ゲマス。
大本営陸海軍部、十二月八日午前六時発表。
帝国陸海軍ハ今八日未明、西太平洋ニ於ヒテ、アメリカ、イギリス軍ト戦闘状態ニ入レリ。
帝国陸海軍ハ今八日未明、西太平洋ニ於ヒテ、アメリカ、イギリス軍ト戦闘状態ニ入レリ。
http://radio-critique.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/1nhk1941128600-.html

昨日も、友人との待ち合わせ場所に移動するクルマの中で臨時ニュースを聞いた。
妻の運転しているクルマで、国道1号線に出るために信号待ちをしている時だった。
クルマが橋の上にいるような感じで揺れた。
何だろうと思い、外の様子を見ると、電線が大きく揺れている。
「地震だ!」とラジオのスイッチを入れると、三陸沖が震源地だという。

「3・11」の時は、建屋内にいたので、感覚は違ったが、一瞬あの津波の映像がよみがえった。
ラジオも、「すぐに避難して下さい」と緊迫した声で訴えている。
その後、石巻市の鮎川で1mの津波を観測したという放送まで聴いたところで、目的地に着いた。
夏に訪れた大川小学校のことなども思い起こされた。
⇒2012年8月27日 (月):大川小学校の悲劇と避難誘導の難しさ/因果関係論(20)・みちのく探訪(1)

被災地に住んでいない私でさえ、あの日のことが頭をよぎったのだから、被災した人たちは嫌な思いだっただろうと推測する。
7日の地震は阪神淡路大震災と同程度のエネルギーだという。

 7日起きた地震はマグニチュード(M)7.3と、6434人の犠牲が出た阪神大震災(平成7年)と同じ規模のエネルギーを持っていた。専門家は、震源が牡鹿(おしか)半島の東約240キロの海底と離れていたことに加え、揺れの周期が短かったことから被害が軽微だった可能性があるとしている。
 防災システム研究所の山村武彦所長によると、今回の地震は、東日本大震災で壊れ残った「正断層」タイプのプレートのずれによる余震とみられる。宮城県などの住民は「大きな横揺れが1分ほど続いた」と証言しているが、これは「震源地が遠く、陸地に届くまでにエネルギーが減衰したため」と説明する。
 直下地震だった阪神大震災は今回の地震とは対照的に、揺れた時間は13~14秒と短かったが、縦揺れが激しく、被害を決定づける重要な要素の「揺れの周期」が1~2秒と長かった。
 こうした長い周期は「キラーパルス」と呼ばれ、共振現象から建物の倒壊を起こしやすい。阪神大震災では死者の87.8%が家屋の倒壊による圧死だったが、周期が0.3~1秒と短かった東日本大震災では、逆に建物の下敷きになった例は少なく、92.4%が津波による水死だった。
 山村氏は「地震は同じマグニチュードや震度であっても、その被害規模は断層の壊れ方や、揺れの伝わり方によって全く違う」と説明。今回の地震も周期が短かった可能性があり、「家屋への被害が少なかったのでは」と述べた。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121207/dst12120722520037-n1.htm

今回の地震は、海のプレート(岩板)が陸のプレートに沈み込む海溝の外側で起きる「アウターライズ型地震」だったそうである。

Photo
 気象庁では東日本大震災の余震としており、永井章・地震津波監視課長は記者会見で「東日本大震災でプレートの『ストッパー』が外れた状態になり、(海のプレートを)引っ張る力が強まった影響で、断層がずれた」との見方を示した。
 今回の震源の北東側では東日本大震災が発生した約40分後に、M7・5のアウターライズ型地震が発生している。
http://blogs.yahoo.co.jp/ishikawaryou1/8022080.html

事故などについて、「ハインリッヒの法則」と呼ばれるものがある。
別名「ヒヤリハットの法則」で、大事故を防ぐためには、小事故を防がなければならないとするものである。
⇒2012年6月19日 (火):フクシマ原発訴訟が問う「無責任の体系」/原発事故の真相(37)
地震列島で原発の安全性が確保できるものかどうか、総選挙の重要な判断基準である。

|

« 魏使の行程のアポリアとしての「水行十日陸行一月」/邪馬台国所在地論 | トップページ | 師走の街に流れるトーンチャイムの音色 »

ニュース」カテゴリの記事

思考技術」カテゴリの記事

花づな列島復興のためのメモ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ヒヤリハット」が続く日本列島/花づな列島復興のためのメモ(171):

« 魏使の行程のアポリアとしての「水行十日陸行一月」/邪馬台国所在地論 | トップページ | 師走の街に流れるトーンチャイムの音色 »