「湯たんぽ」の<候・効・好>考/闘病記・中間報告(57)
病気のためか加齢のためかは判然としないが、最近手足の冷えが気になる。
発症前は、手足が冷たいと、ことさらに意識するようなことはなかった。
最近、自分の右手、つまり麻痺側、が冷たいなぁ、と感じることがよくある。
OT(作業療法士)の人と話をしたら、やっぱり動かし方が少なくなるからでしょう、ということだった。
入院中は、暖房完備で夜も暖かった。
退院して冬を迎える時、寝室のエアコンを新調した。
古くから使っているものに比べると、静かだが強力である。
今年は、居間のエアコンもリプレースした。
わが家は、いわゆるマンションである。
以前、会社の都合で単身赴任をしていた時、ワンルームのマンションを借りていたことがあって、真冬の夜でも半袖で居られるくらい暖かかった記憶がある。
マンションというのはそういうものだ、と思っていたら、自宅はそんなことはなかった。
角部屋のせいなのか、構造上の問題なのかは分からない。
結露はひどいので、内外の温度差があることは間違いないのだが。
退院してから、冬場は「湯たんぽ」を愛用している。
子供の頃は使っていた記憶があるが、永くご無沙汰だった。
使ってみるとすこぶる快適である。
「湯たんぽのすすめ」というサイトに、「湯たんぽ」のメリット・効用が列挙されていた。
- ヒーターの類いと異なり皮膚が乾燥しない。
- 乾燥しないので、咽が乾かない。
- ほかほかと自然な暖かさがあります。
- 体全体(布団全体)が温かく、朝も快適に起きられます。
- 電気の消し忘れがないので寝坊した朝でも安心。
- 問題となっている電磁波が発生しない。
- だんだんと温度が下がるので、体に優しい。
- 電気代もかからずエコロジー。
阪神大震災でも大活躍→阪神大震災時の「湯たんぽ」、心尽くしの湯たんぽ
まいにち中学生ニュース 被災地へ湯たんぽ トルコや雲南を救済 〔現在リンク切れ) - 一人分が安価なので、人数分揃えられる。
- 翌朝も気分の良い温かさが持続。
- 残り湯(まだ熱い)で顔や食器を洗える。
- 屋外でも簡単に使えて温かい(テント泊の方、お試しを)。
- 電源不要なので病院で入院中の人も使える。
子供の頃は金属製のものだったが、最近はいろいろな材質のものが出回っている。
わが家で使用しているのは、硬質プラスチック(PVC?)製である。
http://www.designgumi.com/blog/index.php?ID=133
「湯たんぽ」は、まさに「熱と温度」の問題の典型例である。
「湯たんぽ」は、熱容量と熱伝導、熱拡散のほど良いバランスを、低コストで実現している。
⇒2009年8月14日:「同じ」と「違う」(1)熱と温度 その1.熱容量と比熱
⇒2009年8月17日 (月):温度と熱 その2.水の特異性/「同じ」と「違う」(2)
⇒2009年8月26日 (水):熱と温度 その3.熱伝導率と熱拡散率/「同じ」と「違う」(5)
⇒2009年8月27日 (木):熱と温度 その4.熱伝導率と熱拡散率(続)/「同じ」と「違う」(6)
Wikipediaによれば、日本での「湯たんぽ」の使用の歴史は以下のようである。
日本では室町時代に使用されており、栃木県日光市の輪王寺に、徳川綱吉が使用したという犬型の湯たんぽが存在している。古くは陶器製が主で、金属製のものが現れたのは大正期以降である。戦時中は金属が貴重となったため、陶器製のものが使われるようになった。現在ではプラスチック製やポリ塩化ビニル製のものが主流となっているが、金属やプラスチック製の湯たんぽと違い、陶器製の湯たんぽは保温性が良く遠赤効果があるとされている。
1990年代になってから、保温性の高い液体をプラスチックの容器内に密閉し、電子レンジで加熱することにより湯水の出し入れをしなくてもよいものが登場したが、加熱のし過ぎによって容器が破損し、内部の高温の液体が漏れ出して火傷を負う事故があったため、メーカーのADEKAが利用者に商品の回収を呼びかけている。
2007年(平成19年)からは原油価格の高騰によって省エネルギー性が注目され、商品数・売上が増加している。
東日本大震災を体験し、本格的な省エネ時代を迎えているが、「湯たんぽ」はますます見直されて増加していくのではなかろうか。
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