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2012年11月15日 (木)

小沢無罪判決/花づな列島復興のためのメモ(158)

小沢一郎「国民の生活が第一」代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反容疑裁判で、東京高裁は無罪とした。
強制起訴されていた事案で、検察官役の指定弁護士による控訴が棄却された。
この裁判については、訴訟が提起されること自体に、私は違和感を抱いていた。
⇒2012年2月18日 (土):小沢裁判に対する疑問
⇒2012年5月11日 (金):小沢裁判控訴の狙いは?/花づな列島復興のためのメモ(64)

野田首相の解散の表明によって、この裁判のことはどこかに吹き飛んでしまったようだが、客観的にみれば、あり得ない、あってはならない裁判だったといえよう。
あえて言えば、「真昼の暗黒」である。
⇒2012年2月22日 (水):小沢強制起訴裁判で墓穴を掘るのは誰か?
⇒2012年4月26日 (木):小沢裁判の影響/花づな列島復興のためのメモ(56)

裁判の経緯は、下表のようである。
Ws000001
http://www.asahi.com/national/update2/1112/TKY201211120016.html

上表に見るように、検察庁が強制捜査の末、起訴を見送り、これに対して検察審査会が起訴相当の議決を出し、もう一度検察庁が起訴を前提とした捜査を行って起訴に至らなかったものを、検察審査会がもう一度起訴相当の議決を出して、強制起訴となったものである。
検察審査会制度そのものが問われることになろう。
つまり、強制起訴ということが行われるべきか否かである。

検察が起訴しなかった(起訴できなかった)容疑者に対して、一般市民から選ばれた検察審査会が、「起訴すべきである」と2度決議すると、強制的に起訴される。
検察審査会のメンバーは匿名である。
悪用は想定されていないのかも知れないが、故意に容疑者に仕立てることも不可能とはいえない。
今回のケースでは、検察審査会に提出された資料が、ねつ造されたものであった。
まさに「真昼の暗黒」である。

振り返ってみれば、小沢裁判には、上表の前史があった。
西松建設から小沢氏の公設秘書への違法献金が疑われ、民主党代表だった小沢氏が代表を降りた。
時あたかも政権交代が必至と言った情勢の中での容疑であった。
⇒2009年3月 4日 (水):小沢スキャンダルは、自民党の神風になるか?

そういう経緯まで含めて考えると、謀略の臭いが芬々とする。
政党別の衆議院国会議員数を見ると、「国民の生活が第一」は野党第二の政党である。
小沢氏の好き嫌いは別として、余りにも問題のある裁判ではなかったか。
考えてみれば、福田政権の時、大連立を持ちかけられた民主党が小沢氏以外は幹部のほとんどが「No」だったが、その時与党の経験をしておけば、政権交代したときも、もう少しマシな運営ができたのではないかと思う。
反小沢によって支持率を高めようとした民主党政権は、余りにもお粗末であったと言わざるを得ないだろう。

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