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2012年11月 8日 (木)

改めて、原子力規制委の任務と人事を問う/原発事故の真相(51)

福島第一原発については、複数の事故調査報告書が出ているが、事故の真相についてはまだ分からない部分が多い。
⇒2012年5月29日 (火):依然として不明朗な「藪の中」/原発事故の真相(32)
⇒2012年7月25日 (水)政府事故調の報告書/原発事故の真相(41)

特に、国会事故調報告書が「認識の共有化」として書いている次の一節は、われわれが深く心に刻むべきものと考える。
⇒2012年7月 6日 (金):国会事故調と大飯原発再稼働/花づな列島復興のためのメモ(104)

平成 23(2011)年 3 月 11 日に起きた東日本大震災に伴う東京電力福島原子力発電所事故は世界の歴史に残る大事故である。そして、この報告が提出される平成 24(2012)年 6 月においても、依然として事故は収束しておらず被害も継続している。破損した原子炉の現状は詳しくは判明しておらず、今後の地震、台風などの自然災害に果たして耐えられるのか分からない。今後の環境汚染をどこまで防止できるのかも明確ではない。廃炉までの道のりも長く予測できない。一方、被害を受けた住民の生活基盤の回復は進まず、健康被害への不安も解消されていない。

今後の原発に関する議論は、上記のような認識から出発しなければならないはずであるが、野田政権にはそうした認識が欠如しているようだ。
野田首相は、今夏の電力需給の上で大飯原発の再稼働が不可欠であるとして、「国民のために」再稼働の意思決定をした。
そのことについても異論があるが、大飯原発敷地内の断層が活断層であるか否かをめぐって評定が続いている。
結論を断定できないならば、その間は安全側で対処すべきであることは児童でも理解する理屈である。
⇒2012年11月 3日 (土):大飯原発の活断層をどう考えるか/花づな列島復興のためのメモ(157)

しかるに、原子力規制委は関電に追加調査を要請するという。

 原子力規制委員会は関西電力大飯原発の「F―6断層」の現地調査から2回目となる7日の評価会でも、活断層か否かを判断せず、関電に追加調査を求めることになった。地元では、白黒をはっきりさせない規制委の姿勢にいらだちが募る一方、県内の他の原発にからむ断層についても慎重な調査を求める声が上がった。
http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000001211080001

その間は、稼働を継続するということだ。
まるで、ガス漏れの疑いのあるコンロでやかんを沸かし続けるようなようなものだ、と言った人がいる。
もちろん、危険性は、ガスコンロと比ぶべくもない。
先ずは火を止めて点検すべきなのは言うまでもないことではないのか。

改めて規制委の任務を調べてみると、下記のようである(設置法3条)。

原子力規制委員会は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること(原子力にかかる製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関すること、並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制、その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関することを含む)を任務とする。

大飯原発の稼働問題について、「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全」に著しく違背しているのではなかろうか。

野田内閣の真摯さを疑わざるを得ないのは、同委の人事問題である。
政府は、規制委人事の国会同意を、通常国会に続いて臨時国会でも見送ることにした。
藤村官房長官によれば、「不承認のリスクがあるから」ということであるが、不承認のリスクとは何だろうか?

リスクの概念は多義的であるが、一般的には、「ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)、危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念」 と理解されている。
Wikipedia
不承認すなわち危険に遭う可能性ということであろうか?
意味不明である。
損をするということならば、意味は通じるが、まさか・・・・・・

また、経済学においては、「ある事象の変動に関する不確実性」を指すといわれる。
承認か不承認か不確実だから、ということであろうか?

これは、当たり前であろう。
そのための国会同意である。
もしそういう意味だとしたら、規制委だけでなく国会軽視と言う他ない。

仄聞するところでは、秘かに解散ではなく、野田内閣総辞職のシナリオが練られているという。
野田内閣が死に体であるのは間違いないが・・・・・・

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コメント

活断層の有無が問題になるのは、原発の危険を避けるため。
判断が難しいのなら、いったん原発を止めてゆっくり納得のゆくまで学者同士で話し合えばよい。
これが、英語でいう「フェイル・セイフ」の考え方。

日本語には未来時制がないので、日本人には最悪のシナリオを想定することが難しい。
目の前に危険が迫るまでは、自分は安全であると考える傾向がある。

Fail-safe: 万一の失策・故障に対する安全確保のこと

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

投稿: noga | 2012年11月 9日 (金) 21時58分

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