民主党内の野田降ろしと首相の解散明言
ついにというか、やっとというか、野田首相が、解散を明言した。
野田佳彦首相が特例公債法案、一票の格差是正と定数削減を今国会で処理できるなら16日に解散すると明言した。自民党はこれに応じる姿勢を示しており、16日に衆議院は解散され、12月16日にも投開票となる見通しだ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8AD05E20121114
野田氏の胸中は分からないが、昨日(13日)の民主党常任幹事会で、解散先延ばし論が噴出したのが大きな要因であることは間違いないだろう。
大敗の恐怖に縛られた民主党内では、首相を支える執行部やベテラン議員からも反対論が噴出した。13日の民主党常任幹事会では赤松広隆副代表が「政権維持ができる態勢で選挙に臨んでもらいたい」と口火を切った。鹿野道彦前農相のグループは約20人が集まり、年内解散反対で一致した。中野寛成常任幹事会議長(旧民社グループ)や赤松氏(旧社会)、荒井聡元国家戦略担当相(菅)、前田武志前国土交通相(鹿野)ら10人がグループ横断の会合を開き、解散反対の文書を作成。14日に輿石東幹事長に申し入れる。
輿石氏は周辺に「常任幹事会は党大会と両院議員総会に次ぐ機関だ」と語り、常任幹事会メンバーの一人は「これで流れが変わるのではないか」と首相の変心に期待感を示した。輿石氏は13日夜、赤松氏のパーティーで「金魚が水槽から飛び出せば死んでしまう」と発言。自らをドジョウに例えて「金魚のまねはできない」と言った昨年の首相演説を引き合いに、首相が党内世論の枠から飛び出さないようけん制した。
http://mainichi.jp/select/news/20121114k0000m010142000c.html
野田首相は、解散権を持つのは首相だと言っていた。
その言葉通りに、解散阻止の包囲網を強行突破に出たのだろう。
菅前首相が、党内の大勢によって身動きできなくなったのを学習したとも言える。
「近いうちに信を問う」と約束してから、既に3カ月以上が過ぎている。
解散は首相の専権事項で、ウソを言ってもいい、と巷では言われている。
しかし、野田氏は「ウソつき」と呼ばれることを嫌がったのだろう。
首相就任時に、「ドジョウが金魚のマネをしたって・・・」という言葉を引いて誠実さをアピールしたのが、「ウソつき」と言われたら、サマにならない。
しかし、遅きに失したのではないか?
下表は「ウソ」を指摘されている野田氏の言動である。
解散時期だけでない。「ウソつき」のオンパレードである。
http://nippon7777.exblog.jp/17125010
常識的に考えれば、解散を先延ばしすることは、限界といえよう。
ここで年内総選挙に踏み切らなければ、求心力をいっそう失って、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の推進などを目玉政策にしようという意図も後退せざるを得ない。
であれば、総選挙の惨敗は避けられないとして、せめて選挙後の政界再編成に一縷の望みを託そうと・・・・・・
しかし、民主党内には批判が高まった。
解散を明言したのは党首討論においてであるが、身内の話し合いはまったく不十分のようだ。
第三極を含め、選挙前にも離合集散が予想される。
また、年末年始の解散総選挙には、国民生活との関係で批判もある。
どの道、野田氏の環境は茨だらけなのだ。
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