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2012年10月13日 (土)

柳条湖事件の真相?/満州「国」論(5)

現在、満州事変(柳条湖事件)に対する見方としては、次のような捉え方が一般的であろう。
⇒2012年9月18日 (火):柳条湖事件から81年、拡大する反日デモの行方/満州「国」論(2)

一九二八年末に張学良が国民政府と合体し、中国の統一を一応完成した。日本の関東軍は危機感を深め、武力で満州を勢力下に置こうとした。そして、石原莞爾らが一九三一年九月一八日、奉天郊外の柳条湖で南満州鉄道を爆破し(柳条湖事件)、これを中国軍のしわざとして軍事行使を開始し、満州事変が始まった。

しかし、工藤美代子『絢爛たる悪運 岸信介伝』幻冬舎(1209)に次のような記述がある。

一般的に「柳条湖事件」と呼ばれているこの爆発事件の首謀者は関東軍高級参謀板垣征四郎大佐と、同じく関東軍作戦参謀石原莞爾中佐だとされていた。
 両者ともその事実を否定したまま故人となった。

つまり、「真犯人」の口は永久に閉ざされた、ということである。
Wikipediaの板垣征四郎、石原莞爾の項には、それぞれ次のようにある。

板垣征四郎 
関東軍高級参謀として石原莞爾とともに満州事変を決行し、第二次世界大戦においては第7方面軍司令官として終戦を迎えた。戦後は東京裁判にて死刑判決を受け処刑される。
石原莞爾
関東軍作戦参謀として、板垣征四郎らとともに柳条湖事件を起し満州事変を成功させた首謀者であるが、のちに東條英機との対立から予備役に追いやられ、病気のため戦犯指定を免れた。

いずれも、板垣、石原「主犯説」の立場記述されている。
Wikipediaは何ら真実を保証するものではないが、大勢の首肯する見解だと考えられる。
工藤氏によれば、それは当時奉天(現瀋陽)の特務機関にいた花谷正少佐(最終階級陸軍中将)の発表した「手記」を根拠にしている。
雑誌「別冊知性」(河出書房刊)に掲載された『満州事変はこうして計画された』である。

花谷の「手記」には、板垣、石原のほかに関東軍司令官本庄繁中将、朝鮮軍司令官林銑十郎中将、参謀本部第一部長建川美次少将、参謀本部ロシア班長橋本欣五郎中佐らも謀略に荷担していたと書かれていた。
しかし、工藤氏によれば、「手記」が発表された時点で、これらの人々はすべて物故していた。
つまり裏がとれない、ということである。

この「手記」は秦郁彦氏の取材に答えたものであるが、次のような事情であった。

それ(秦氏のインタビュー時)から三年後の一九五六年秋、河出書房の月刊誌『知性』が別冊の『秘められた昭和史』を企画したとき、私は花谷談をまとめ、補充ヒヤリングと校閲を受けたのち、花谷の名前で『満州事変はこうして計画された』を発表した(『昭和史の謎を追う』上)

工藤氏は、秦氏の記述から花谷発言は信憑性に疑問があるとしている。
つまり柳条湖事件を関東軍の謀略と決めつけるのは無理があり、事件の真相はまだ闇の中にある。

果たして、どう考えるべきか?
もちろん未だ表面に出ていない事実もあろう。
しかし、工藤氏の上掲書は、岸信介に好意的な視点から書かれており、満州事変の見方についてもいささかバイアスが感じられる。
なお、秦郁彦氏について、Wikipediaは、次のように解説している。

専攻は、日本の近現代史、第二次世界大戦を中心とする日本の軍事史。その他、昭和史に数多くの著作がある。緻密で客観的な実証を重んじる実証史家として知られ、史料の発掘・研究だけでなく、現地での調査と証言の収集によって検証している。著書『日中戦争史』は、この分野における古典的名著であると評価されている。
東京大学在学中に丸山真男の指導を受けてA級戦犯を含む多くの旧日本軍将校らからのヒアリングを実施、大蔵官僚時代には、財政史室長として昭和財政史の編纂に携わり、自身もアメリカの対日占領政策についての執筆を行なった。さらに、日本国際政治学会太平洋戦争原因究明部による共同プロジェクトに参加し、研究の成果は後に『太平洋戦争への道』として出版された。同書は現在も開戦に至る日本外交を描いた先駆的業績として高い評価を得ている。近現代史に関わる多くの事典の編纂でも知られ、東京大学出版会より刊行した事典類は実証研究に必須の資料となっている。
・・・・・・
張作霖爆殺事件に関しても一次史料に基づく先行研究に依拠して河本大作大佐を中心とする日本陸軍の犯行であることを主張し、「張作霖爆殺はコミンテルンの仕業」と主張する人間たちを事実に基づかない妄言であり歴史を捏造するものとして『文藝春秋』や産経新聞「正論」欄で批判している。

現時点では、柳条湖事件は、板垣、石原ら関東軍による謀略説の方が信憑性があるように思う。

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