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2012年10月 2日 (火)

電波三国志の新局面

電波は有限の資源であり、その利用は許認可の対象である。
スマートフォンの普及にともない、電波の争奪戦も熾烈になってきた。
キャリアの数はイー・アクセスを含め4社だけであるから、三国志にも似た戦略的な戦いの構図にならざるを得ない。
⇒2011年9月23日 (金):電波利権の構図はどう変わるか?

iPhone5の発売と連動して、ソフトバンクが新たな戦略を仕掛けた。
イー・アクセスを完全子会社化すると発表したのである。
ソフトバンクは、ボーダフォン買収以降大型買収を控えていたが、劇的な発表であり、孫社長らしい大胆さといえよう。

 国内携帯電話会社三位のソフトバンクは一日、四位のイー・アクセス(イー・モバイル)を買収し、来年二月をめどに完全子会社化すると発表した。傘下のソフトバンクモバイルとイー社を合わせた契約数(八月末時点)は約三千四百三十四万件で、二位のKDDI(au)の約三千五百八十八万件に肉薄する。
 株式交換によって、イー社株を千八百二億円で取得する。今回の買収で国内の携帯電話会社は首位のNTTドコモを含めて三社に集約される。
 スマートフォン(多機能携帯電話)普及でデータ通信量が急増する中、携帯電話各社は通信回線拡充を進めている。ソフトバンクは光回線並み高速通信規格「LTE」サービスで先行するイー社の通信網を活用。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012100202000120.html

カギとなったのは、「LTE」という規格への対応である。
先ごろiPhone5の発売が始まった。
私の知人にも、早速購入した人がいる。
iPhone5のウリの1つがLTEへ対応していることだ。

LTE(Long Term Evolution)とは何か?

LTEとは新しい携帯電話の通信規格のことである。現在、日本では主に第3世代(3G)の通信システムが使われているが、LTEはその次の世代の新しい通信方式だ。世界的には第4世代(4G)通信として扱われることが多い。
余談だが、厳密にはLTEは3Gと4Gの中間技術であり、3.9Gとも呼ばれている。しかし、国際電気通信連合(ITU)がLTEとWiMAXについて「4G」という名称を使うことを認めており、米国の大手キャリアや端末メーカーはLTEを「4G」としている。日本のキャリアでは、auとソフトバンクが実質LTEと同じサービスを「4G」と呼んでいる。

http://appllio.com/android-mobile-topic/20120210-1566-Summary-of-LTE

要するに、LTEになると「通信速度が速くなる」のだが、現時点ではLTEに対応しているエリアは限られている。
エリア外では自動的に3G通信に切り替わるが、エリアの拡大が重要な課題になる。
そこでソフトバンクは、イー・アクセスが3月からLTEを始めた1.7ギガヘルツ帯の周波数に目を付けたということである。

さらにソフトバンクがテザリングを実施しようとしていることも、イー・アクセスの買収を後押しした。
テザリング(tethering)とは、通信端末を内蔵したモバイルコンピューター(スマートフォンなど)を外付けモデムとして、他のコンピューター等をインタ-ネットに接続することである。
現状のネットワークでテザリングしようとすると、混雑現象によって通信障害が起きる可能性がある。

Photo_2 実はKDDIも周波数帯拡大を狙い、ソフトバンクより早い時期からイー・アクセスや、同社の筆頭株主で約3割の株式を保有する米ゴールドマン・サックスに接近していた。しかし買収金額を巡って折り合いがつかない状態が続いていたもよう。慌てたソフトバンクはその間隙を縫い「この1~2週間で巻き返した」(関係者)という。
 ソフトバンクにとってイー・アクセスをKDDIに奪われるのは死活問題だった。ソフトバンクは7月、「プラチナバンド」と呼ばれる900メガ(メガは100万)ヘルツ帯の周波数の運用を始めたが、それでもNTTドコモとKDDIに比べて電波の割り当てが少ない。KDDIがさらに電波を増やせばiPhoneの販売競争で後手に回るのは確実だった。
 一方、イー・アクセスはLTEを使ったデータ通信事業に強みを持つが「今後、インフラ投資負担に耐えられる体力が乏しい」(証券アナリスト)。ゴールドマンなどは「LTE向けに新たに周波数帯を割り当てられた6月以降、売り抜ける意向だった」(大手通信会社幹部)といわれ、ソフトバンクの提案は渡りに船だった。イー・アクセスの千本倖生会長は1日、「ほかにも提案があったがソフトバンクが最良と判断した」と語った。
 同社とソフトバンクに基地局を提供するのはスウェーデンのエリクソンと中国の華為技術(ファーウェイ)が主力。今回の買収はインフラ調達でも相乗効果が大きい。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC0100E_R01C12A0EA2000/

ソフトバンクは時価の3倍という条件を提示したとのことである。
イー・アクセスの株価は、前日の終値が19,000円だったが、この発表を受けてストップ高に張り付いたままで引けた。
果たしてイー・アクセスの株価は、どの辺りに落ち着くであろうか?
Photo_3
これでいよいよ3社のシェア争いということになる。
ユーザーとしての私は今のところ、iPhone4Sで十分である。
知人の手にしていたiPhone5は、確かに高速で反応するようであり、手に持った感じははっきりと分かるぐらい軽量であったが、あえて買い換えるほどのことはないように思えた。
しばらくは高みの見物で成り行きを見ることにしよう。

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