復興予算をめぐる永田町のお粗末/花づな列島復興のためのメモ(152)
復興予算をめぐる国会でのやりとりをTVで見ていて、情けなくなってきた。
復興予算が、被災地に直接関係しない事業に流用されている問題である。
この問題については、根っこには予算獲得が仕事の第一義と考える霞ヶ関官僚の思考があるが、政治家のレベルが低すぎることが浮き彫りにされているような気がする。
⇒2012年10月10日 (水):「霞ヶ関文学」と「東大話法」はメダルの表裏/花づな列島復興のためのメモ(149)
復興予算は2011年度から5年間で少なくとも19兆円とされる。
財源は所得税や住民税、法人税などを増税して充てることになっている。
電気料等の値上げ、消費増税等もあって、ごく一部の富裕層を除いて多くの家計は引き締めざるを得ないと考えていることだろう。
これでは、景気が良くなるはずがないと思うが、それはさておき、復興増税については、被災地復興を日本国民全体で支援するという趣旨だと理解している。
この国民の共助の気持ちに水を差すような予算の内容が、徐々に明らかになりつつある。
流用に近い予算として例示されているのは、以下のようなものである。
http://news.livedoor.com/article/detail/7035394/
さすがに政府の行政刷新会議(議長・野田首相)も、来年度復興予算の一部事業の抜本的見直しを行う方針を固めた。
野党を中心に、東日本大震災の復興予算として不適当な事業があるとの批判が強まったためだ。
しかし、衆院決算行政監視委員会の小委員会は、民主党委員が欠席して開催要件を満たせないため流会となった。
自民党が同小委員会による「国会版事業仕分け」をするよう求めてきたのに対し、民主党側は、(1)代表選があって忙しい(2)人事が決まっていない(3)国会閉会中にやるほどではない、などの理由をつけて拒否し続けた挙句である。
18日の参院決算委員会では、枝野、蓮舫の事業仕分けのスターが登場したが、見苦しい質疑と言わざるを得ない。
枝野幸男経済産業相は、森雅子氏が、流用問題で地元・福島の企業向け立地補助金が不足していることを厳しく指摘したとき、「あのー、ミソもクソも一緒にした議論はやめていただきたい」と答弁して、議場騒然となった。
冷静さを失った答弁が、問題を自覚していることを証明しているような感じであった。
民主党委員として質問に立った蓮舫氏は、流用問題の責任を野党に転嫁した。
「もともと内閣が出した復興基本法案は対象を被災地に限定していたが、自民党さん、公明党さんからの建設的な意見も踏まえ、対象は日本全国になった」
蓮舫氏の主張するような経緯は、おそらくあったのだろう。
しかし、政府与党が、「それを言っちゃあ、おしまい」である。
復興基本法案の文言は、自公両党の要求を入れて固まったとしても、成立した予算の第一義的な責任が政府与党にあることは言うまでもない。
民主党の論客を自認する人たちは、強弁・詭弁がお好きなようだが、それではたとえその場は凌げても、なんら問題解決にはなっていないことを認識すべきだ。
⇒2011年6月17日 (金):その場しのぎと問題解決/「同じ」と違う」(27)
⇒2010年11月13日 (土):菅内閣の無責任性と強弁・詭弁・独善的なレトリック
⇒2012年4月 4日 (水):「大飯原発再稼働」の政治判断?/原発事故の真相(24)
先の内閣改造で就任したばかりの田中慶秋氏の問題もある。
田中氏は18日の参院決算委員会へ、公務を理由に欠席したが、関係者は「党と官邸の意向で欠席させた」と指摘している。
田中氏は、外国人献金や過去の暴力団との交流が発覚し、本人もその事実を認めたうえで、「職務遂行に全力を尽くす」などと居直っていたが、そんなことが通用するわけがない。
⇒2012年10月14日 (日):問題山積の野田内閣は速やかに解散総選挙を行うべきだ
19日の閣議を欠席したとのことだが、もはや持ちこたえられないことは、本人も承知しているであろう。
野田首相の任命責任が問われるのは必至である。
「一葉落ちて天下の秋を知る」という言葉がある。
わずかな前兆を見て、後に起きることを予知することを意味する。
今日の民主・自民・公明の党首会談においても、野田氏は解散時期について明言を避け、物別れに終わったようだ。
野田氏には、何枚もの葉が落ちて行くのが見えないのだろうか。
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