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2012年10月 6日 (土)

福島県の健康(甲状腺)検査の実態/原発事故の真相(49)

福島第1原発の事故を受け、福島県が子どもの甲状腺の検査実施している。
枝野経産相は、事故発生当時の官房長官であったが、「ただちに健康に影響はない」と力説していたが、「長期的な影響」こそが心配されるべきであることは、チェルノブイリ原発事故の追跡調査でも明らかにされている。
だから、福島原発事故についても、慎重に追跡調査をするべきである。

しかし、当初の政府方針は、福島県の子どもだけ調査するというものだった。
素人的に考えても、原発事故の影響の有意性を検証するためには、比較対照する調査データが必要であろう。
福島県の子どもだけ調査しても、言い得ることは限られる。
⇒2012年9月 6日 (木):火事場泥棒的に原子力規制委の人事を行おうとする野田政権/原発事故の真相(46)
さすがに、政府も比較の対象となる県外での調査の実施を決めたという。

しかし、その調査の実施にあたってはさまざまな問題があることが報じられている。

ひとつの問題は、検査を行っている福島県立医大から受診者に送られる結果通知が不親切であることだ。結節などがあるのに2次検査は不要とされた人々への通知は、当初、見つかったのが結節なのか、のう胞なのかさえわからないものだった。
http://mainichi.jp/opinion/news/20120903k0000m070113000c.html

調査対象者は家族も含め、不安感に苛まれていることが容易に想像できる。
だから、検査結果などの情報は懇切丁寧に行うべきだろう。
専門家の言葉は、どういうわけか一般人には分かりにくい専門用語を当然の如く使う。
善意に解釈すれば、自分たちはふだん十分に馴染んでいる言葉だから、無意識に使用しているのであろう。
しかし、相手に伝わらない言葉は、発している意味がない。

企業人が自社の新規プロジェクトなどをプレゼンテーションする場合には、言葉遣いだけでなく、図表や映像なども含め極力相手が理解できるように努める。
思うに医療従事者や役人というような人たちには、相手を思いやる精神・態度が欠如していることが多いようだ。
ホスピタリティという言葉は、これらの人たちにこそ必要であるにもかかわらず、である。

以下のような報道もある。

 東京電力福島第1原発事故を受けた福島県の県民健康管理調査について専門家が意見を交わす検討委員会で、事前に見解をすり合わせる「秘密会」の存在が明らかになった。昨年5月の検討委発足に伴い約1年半にわたり開かれた秘密会は、別会場で開いて配布資料は回収し、出席者に県が口止めするほど「保秘」を徹底。
……
 約30分の秘密会が終わると、県職員は「資料は置いて三々五々(検討委の)会場に向かってください」と要請。事前の「調整」が発覚するのを懸念する様子をうかがわせた。
……
秘密会の日程調整などを取り仕切っていた福島県保健福祉部の担当者との主なやり取りは次の通り。
 −−検討委の会合ごとに秘密の準備会を開いていなかったか。
 記憶にない。
 −−昨年7月、秘密会の会場を急きょ変更し、口止めを図ったことはないか。
 ……覚えていない。
 −−検討委の約1週間前に委員を呼び出したり、検討委と別に会場を設けたりしていなかったか。
 ……確認のため時間をください。

http://mainichi.jp/select/news/20121003k0000m040155000c.html

県や委員らはこうした秘密会を「準備会」と呼んでいた。
私のリサーチャー時代の経験からしても、秘密の準備会の存在は納得できる。
もちろん、事前に情報が漏れて紛糾し、本来の目的に支障が起こる可能性があるときには、秘密の会議も必要だと思う。
しかし、原発事故の影響調査については、可能な限りオープンに論議すべきではなかろうか?
この検討委員会では、あらかじめ議事の進行自体を事務局側で用意していたという。

 東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が実施中の県民健康管理調査について専門家が議論する検討委員会を巡り、委員が発言すべき内容などを記した議事進行表を県が事前に作成していたことが分かった。調査結果への見解における「結語」(結びの言葉)が記され、「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)再現データの質疑に終始しない」と求める記載もあった。県の担当者は毎日新聞の取材に「そうしたものを作ったかもしれない」としつつ、内容に対する明確な回答はなかった。
 検討委を巡っては、本会合の前に秘密裏に「準備会」(秘密会)を開き、調査結果に対する見解をすり合わせた上で、本会合でのやりとりを事前に打ち合わせていたことが判明している。この問題が取り上げられた3日の県議会で村田文雄副知事は「意見などをあらかじめ調整した事実はない」と答弁したが、進行表には「○○先生と要調整」(○○は委員の実名)との記載もあった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121005-00000012-mai-soci

有能な事務局というのであろうが、やはり行き過ぎであると思う。
特に、SPEEDIについては、国や県の責任が問われていることであり、馬脚を現しているというしかない。
⇒2011年7月 5日 (火):官邸は誰の責任で情報を隠蔽したか?/原発事故の真相(4)
⇒2011年9月11日 (日):政府による「情報の隠蔽」は犯罪ではないのか
⇒2012年5月29日 (火):依然として不明朗な「藪の中」/原発事故の真相(32)

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