原子力ムラの詐欺的アンケート/原発事故の真相(50)
原子力ムラというのは、よくよく詐欺的な行為がお好きなようである。
核燃料サイクルを巡って、原発環境整備事業という組織が、アンケートを実施したが、回答者が誤認するのを誘導するような質問をしていたことが報じられている。
高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)が、二〇一〇年に全国規模でアンケートをした際、あたかも使用済み核燃料のほとんどが再利用でき、核のごみはわずかであるかのような説明をし、回答を求めていたことが分かった。実際に再利用できるのはわずか1%で99%はごみと化す可能性が大。誤った認識を広げる結果になっていた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012101002000114.html
アンケートでは、最初の設問で「使用済み核燃料の95%がリサイクルできます」と説明して、あたかもリサイクルの輪が閉じているような認識を持たせている。
しかし、実際は1%が再利用可能なだけであって、明らかに、錯覚を誘導している詐欺の手口である。
刑法による詐欺罪の規定は、次のようである。
すなわち、「人を欺いて」ということが基本的な要件である。
NUMOのアンケートは、立派に詐欺罪の要件を満たしていることになる。
核燃料サイクルを巡って、野田政権は迷走を続けている。
⇒2012年6月11日 (月):電源構成と核燃料サイクル/花づな列島復興のためのメモ(83)
⇒2012年9月 4日 (火):核廃棄物をどうするか?/花づな列島復興のためのメモ(137)
⇒2012年9月 5日 (水):本末転倒の「廃棄物処理ができないから原発稼働」論/花づな列島復興のためのメモ(138)
⇒2012年9月15日 (土):「言うだけ」感を拭えない政府の脱原発政策/花づな列島復興のためのメモ(142)
⇒2012年9月28日 (金):論理の通らない原子力行政/花づな列島復興のためのメモ(145)
原点に立ち返り、原発が現状では稼働しえない現実を認識すべきだろう。
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