電波三国志の新局面(続)/花づな列島復興のためのメモ(150)
ソフトバンクが、米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収すると発表した。
同社は、先にイー・アクセスとの経営統合を行うと発表したばかりである。
⇒2012年10月 2日 (火):電波三国志の新局面
俄然、風雲急を告げる、といった感じである。
孫社長の目論見は、スプリントを加えることで、中国移動や米ベライゾン・ワイヤレスに次ぐ世界3位の携帯会社になることである。
静岡新聞121016
買収額は201億ドル(約1兆5700億円)だという。
過去にソフトバンクは、英ボーダフォンの日本法人を1兆円を大きく超える資金を投入して買収した。
2兆円の有利子負債を抱えたが、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」人気で財務を一気に改善した実績がある。
市場の反応はどうか?
2つにわかれているようである。
ソフトバンクの株価は、買収報道が出る前の11日から15日まで(2営業日)で、2割強下落した。
時価総額も15日の終値でKDDIを下回った。
日本経済新聞121016
ソフトバンクが資金調達を新株発行で行うと株式が希釈されるだろうということと、そもそもスプリントの買収自体リスクが大きいという見方だろう。
ソフトバンクと経営統合することになったイー・アクセスの株価の推移は以下のようである。
イー・アクセス株式が時価の3倍で評価されたことを受けて、株価はストップ高を連発して上昇した。
上昇が一息ついたところで、スプリントの買収を検討しているという報道が流れた。
ソフトバンク株の下落に連動して、流れは反転し、ストップ安という展開になった。
ソフトバンク株式との交換比率がほぼ確定したことから、ソフトバンク株価に連動するのは必然だろう。
昨日、買収が正式に発表されると、ソフトバンクの株価は上昇に転じ、イー・アクセスも連動している。
必要資金を手元資金の他、国内メガバンクとドイツ銀行が融資するという報道もあって、株価は+に動いたのだろう。
ソフトバンクの決断が吉と出るか凶とでるかは、神のみぞ知るということだろう。
アナリストの見方も分かれている。
しかし、創業経営者でなければできない決断であることは間違いない。
政治に信頼が置けない状況である。
閉塞している日本経済のカンフル剤となることを期待しよう。
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