平山郁夫シルクロード美術館と高句麗壁画
三分一湧水の近くに、平山郁夫シルクロード美術館がある。
⇒2012年8月20日 (月):三分一湧水と先人の知恵
http://www.silkroad-museum.jp/access/index.html
平山郁夫とシルクロードとの係わりは深く長い。
「私がシルクロードを歩くようになったのは,日本文化の始まりである仏教伝来の道をたどることが目的」だったという平山画伯は,「仏教伝来」をはじめ,「玄奘三蔵への道」「アレクサンダーの道」シリーズなど,シルクロードと関わりの深い作品を数多く残している。
http://www.silkroad-museum.jp/hirayamaikuo/index.html
仏教伝来の道の一環として、朝鮮半島は欠かせない。
朝鮮半島でも、百済、新羅、伽耶には壁画古墳がほとんど見られないのに対し、高句麗には現在分かっているだけで100基ほどの壁画古墳があるという。
平山郁夫シルクロード美術館に、高句麗壁画古墳の再現模型がある。
東京芸術大学の宮廻正明教授 (文化財保存学・保存修復日本画)は、北朝鮮の世界遺産高句麗古墳群のひとつ、江西大墓(こうせいたいぼ)(6世紀末~7世紀初め)の壁画を、独自のデジタル技術によって世界初の原寸大で「復元」したと発表した。
![]()
http://www.rekishijin.jp/rekishijinnews/20120319kokuri/
高句麗は、古代朝鮮にあった国だが、その領域は驚くほど広い。
決して朝鮮半島北部というようなものではない。
契丹と接していた時代もあるようだが、この地域の歴史は入り組んでいて複雑である。
5世紀頃Wikipedia
⇒2012年1月 9日 (月):草原の王朝「契丹」展@静岡県立美術館
1972(昭和47)年3月、明日香村の高松塚古墳でわが国で初めて彩色壁画が発見された。
古墳の築造時期や被葬者などをめぐって、各分野の専門家から様々な見解が発表された。
⇒2008年9月 8日 (月):様々なる被葬者論
~
⇒2008年11月13日 (木):岡本正太郎氏の高松塚被葬者論…⑤大津皇子について
被葬者については未だ確説はないようであるが、築造時期については、藤原京期(694~710)の範囲に限定されてきたようである。
壁画は、四神・日月星辰・男女の風俗等を描いていて、当初より高句麗壁画との類似性が指摘されている。
平山美術館の再現壁画は、青龍、白虎、玄武、朱雀の四神図である。
なぜ、高松塚古墳に高句麗古墳に似た壁画が遺されていたのか?
素人の考え及ぶところではないが、興味を惹かれる。
⇒2010年10月26日 (火):聖武天皇の宝剣?/やまとの謎(3)
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