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2012年9月14日 (金)

民自両党の党首選候補者/花づな列島復興のためのメモ(141)

民自の党首選がマスメディアを賑わしている。
私には、その賑わいが空しき狂騒のように映じる。
⇒2012年9月10日 (月):嘆くべきか、嗤うべきか、民自両党党首選の猿芝居
しかし、総選挙がそう遠くない時期に行われるとすれば、次の総理大臣選びに直結する可能性が大きいのが現実である。

民主党代表選には、野田首相と赤松広隆元農相、原口一博元総務相、鹿野道彦前農相が立候補している。
皆演説は上手いなあ、だけど信用できないなあ、という感じである。
民主党政権3年間の実績の評価は、代表が替わっても変わりようがない。
毎日新聞社説は、次のように説く。

 政権交代以来2度も首相が交代し、党分裂の混乱まで演じた民主党にまず求められるのは3年にわたる政権運営の真剣な総括である。税と社会保障の一体改革など諸課題について意思統一を図り、マニフェストをめぐる混乱にけじめをつける場としなければならない。
http://mainichi.jp/opinion/news/20120911k0000m070131000c.html

その通りではあるが、このメンバーでは誰が代表になっても、「マニフェストをめぐる混乱にけじめをつけ」られるようには思えない。
というよりも、毎日新聞がいう「けじめ」とは、どういう状態になれば、「つく」というのだろう。

かたや自民党総裁選には、町村信孝元官房長官、石破茂前政調会長、石原伸晃幹事長、安倍晋三元首相、林芳正政調会長代理の5人が立候補している。
各候補とも、民主党の低迷ぶりから、政権復帰への期待があからさまであるが、3年前の総選挙は、民主党が支持されたというよりも、自民党に対するレッドカードだったことを忘れてしまわれては困る。
前回の総選挙で惨敗した結果、国会議員票よりも党員票が多いらしい。
それがどう結果に影響するか?

しかし、自民党が変わっていないなあ、と感じるのは、5人の候補者とも世襲議員であることだ。
世襲が絶対的に不可だということではない。
しかし、政治を家業にしてはいけないだろう。

町村信孝氏の父は、内務官僚から衆議院議員、北海道知事、参議院議員を歴任した金五。
北海道のイメージが強いが、生まれたのは静岡県の沼津だという。
金五が静岡県の水産課長時代だったことがあるらしい。
信孝氏は、文部大臣や外務大臣などを歴任している。

石破茂氏の父二朗は、内務官僚から鳥取県知事、参議院議員になり、自治大臣などを歴任した。
茂氏は、軍事オタクとして知られ、防衛大臣等を歴任した。

石原伸晃氏の父は、現東京都知事の慎太郎。
ただし、選挙区の重複はなく、後援会等を引き継いでいるという意味での世襲ではない。

安部晋三氏の父は、晋太郎で自民党総裁候補だったが急死した。
晋三氏は、総理大臣経験者であるが、唐突な辞任劇は記憶に新しい。

林芳正氏の父は、大蔵大臣等を務めた義郎。
菅前首相が財務大臣当時、乗数効果について質問し、菅氏が答弁に窮したことがある。
このやりとりは、補正予算凍結のマイナス効果を容認する菅氏の見解を質した林氏に対し、菅氏が「前政権の公共事業は1兆円投資して1兆円しか効果がなかったが、現政権は異なる」という趣旨の答弁をしたため、林氏が「どうも乗数効果のことを言っておられるようですが、子ども手当の乗数効果はいくらとお考えか」と質問したという経緯であり、財務大臣としてはやはり問題であろう。

以上のように、5人とも大臣経験者の子息である。
そのことが、現在の難局を乗り切るリーダーとしてどう作用するのか。
いずれにせよ、民主党の犯した敵失に乗じるというだけではまったく不十分であろう。
なぜならば、民主党が失敗したことの大きな要因は、自民党政権時代の負の遺産を払拭しきれなかったことのあるからである。

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