秋の夜は「牧水」がいい
若山牧水は、こよなく酒を愛した歌人として知られる。
明治18年宮崎県に生まれ、昭和3年沼津で病没した。享年44歳。病名は、急性腸胃炎兼肝臓硬変症。
遺骨は沼津乗運寺に埋葬。法名は古松院仙誉牧水居士である。
若すぎる死は、もちろん長年の飲酒が原因であろう。
若山牧水と沼津の縁は深い。
沼津に移住したのは、千本松原の景観に魅せられたためで、永住の地と定めた。
大正9年に一家をあげて沼津に引越し、晩年の9年間を沼津で過ごし、まさに永住の地を実践した。
沼津港の近くの松林の中に、「牧水記念館」がある。
埋葬された乗雲寺の林茂樹住職が、公益社団法人沼津牧水会の理事長を務めている。
http://www.mapple.net/photos/I02200047902.htmhttp://www.mapple.net/photos/I02200047902.htm
9月23日の東京新聞の「東京歌壇」欄の佐佐木幸綱選の第1席に次の歌が選ばれた。
秋の夜の酒は静かに飲めといふ牧水の書はまろくくつろぐ
鹿嶋市 加津牟根夫
(評)ご存じ「白玉の歯にしみとほる…」の歌である。牧水の字を「まろくくつろぐ」としたのは、言い得て妙。
酒が好きだった牧水には、「讃酒歌」というジャンルがあり、生涯に残した七千首のうち酒を詠ったものが二百首に及ぶそうだ。
若山牧水 讃酒歌
なかでも「白玉の……」の歌は広く人口に膾炙している。
http://web.thn.jp/bokusui/2shisetu/tenjisitu.htm
色紙の牧水の筆跡は、確かに「まろくくつろぐ」感じである。
沼津市の渡辺酒造で製造している日本酒に、「牧水」という銘柄があったが「終売」とのこと。
http://www.e-fujisan.com/seisyu.htm
それにしても、秋の夜には、日本酒が似合う。
旨い酒を、気の合う人と、「静かに」飲みたいものだ。
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