「廃炉の研究」の具体化は?/原発事故の真相(47)
「3・11」から間もなく1年半である。
福島原発事故は、昨年12月、「事故収束」を宣言したが、決して「収束」といえるような状態ではない。
原子炉の損傷の具体的な状況すら未だ分かっていないのだ。
⇒2012年6月22日 (金):原子炉の内部の状態/原発事故の真相(38)
主要な事故報告書は出そろったが、事故の経緯については藪の中に残されている部分がある。
⇒2012年7月25日 (水):政府事故調の報告書/原発事故の真相(41)
東電の情報公開もなぜか不十分のままである。
⇒2012年8月 5日 (日):原発事故のビデオ映像の公開/原発事故の真相(42)
東電は、福島原発の減価償却をして原価に組み入れた。
廃炉をするならば、除却して特別損を計上するのがスジであろう。
⇒2012年7月19日 (木):福島の再稼動も目論んでいるのか?/原発事故の真相(39)
もはや「脱原発(依存)」は動かしがたい流れであろうが、そのためには多くの課題が横たわっている。
新規に原発を作ることに同意する自治体はないであろうが、現存する原発の廃炉や解体には、40年位の期間が必要であるとされている。
その間、安全な操業と管理を行わなければならない。
運転中だった1~3号機はメルトダウンを起こしている。
溶け落ちた核燃料はまだ熱源として働いており、440トン/日の冷却水を注いでいる。
その水収支が大きな問題である。
⇒2012年6月 1日 (金):福島原発事故の水問題/原発事故の真相(33)
東京新聞120909
溶け落ちた核燃料は強烈な放射線量を発している。
内部を覗く内視鏡が十数時間で使えなくなってしまうという。
廃炉に至る道のりは遙かである。
東京新聞120909
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズの第1作は『緋色の研究』である。
ダジャレに興ずる場合ではないが、「廃炉の研究」をもっとスピーディに進めるべきではないか。
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