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2012年9月 5日 (水)

本末転倒の「廃棄物処理ができないから原発稼働」論/花づな列島復興のためのメモ(138)

将来的な原子力発電の比率について、民主党エネルギー・環境調査会は、「原発ゼロ」を目標とする素案を示した。
間近に迫った衆院選を意識したものとの批判もあるが、意見聴取会や討論型世論調査で明らかになった民意が、政府・民主党を動かしたといえよう。
⇒2012年8月23日 (木):将来の原発比率に関する民意/花づな列島復興のためのメモ(134)

しかし、原発ゼロになると、、「使用済み核燃料の処理が課題」になる。
現在は使用済み核燃料は、再処理されて一部が核燃料として再利用されることになっている。
⇒2012年9月 4日 (火):核廃棄物をどうするか?/花づな列島復興のためのメモ(137)
使用済み核燃料の処理をどうするかは、脱原発の大きなキーである。

産経新聞は、選挙対策ばかりを意識して国の根幹となるエネルギー政策を決めることになれば、大きな禍根を残す、として次のように論じている。

 使用済み核燃料問題は深刻な課題だ。青森県六ケ所村にある再処理工場には約2900トン使用済み核燃料が貯蔵されているが、六ケ所村と日本原燃が結んだ覚書では「再処理事業の確実な実施が著しく困難」となった場合、使用済み燃料を施設外に搬出すると定めている。
 政府が原発ゼロを決めれば、再処理事業を進める必要はなくなり、燃料は電力会社に返却される。だが、貯蔵する場所は原発の使用済み核燃料プールなどしかなく、返却されれば一気に満杯になる。枝野氏は「努力や施策の積み重ねで解決は可能」と語ったが、最終処理施設の建設などめどは全くたっていない。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120904/trd12090422480016-n1.htm

使用済み核燃料の貯蔵場所がないからといって、再処理事業を進めるために原発を稼働させるべき、というのは論理が逆立ちしている。
貯蔵場所も問題であるが、核燃料サイクルが計画通り進捗していないのだ。
原子力委員会の事務局(内閣府)が、電力会社など原発推進の側だけを集めた非公式な会合を20回以上も重ね、核燃料サイクル政策の見直しを議論する小委員会の審議前に情報を流していたということがあった。
⇒2012年5月27日 (日):原子力ムラの懲りない人たち/原発事故の真相(30)

その秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していたことが報じられている。

 鈴木氏(注:原子力委の委員長代理)の質問は、電力各社にとって再処理を続けるメリットは、プールにたまった使用済み核燃料を減らし、原発を維持することかどうかをただす趣旨。部長の答えは、まさに電力会社の本音を語ったものだ。
 ただし、日本の原子力政策の建前は、再処理で出たプルトニウムを使い、混合酸化物燃料(MOX燃料)にしてプルサーマル発電で再利用。それが「資源小国の日本にとってウラン資源の節約につながる」ということだ。その建前で十兆円もの巨費を投じてきたが、再利用の輪は完成しておらず、MOX燃料の利用計画も立てられなくなっている。
 政府・与党は近く、将来の原発比率をどうするか結論を出す見通しだが、再処理を含め原発を維持しようとする動きは根強い。政府からは、原発ゼロにした場合、光熱費がアップするなど否定的な側面だけを宣伝する動きも強まっている。
 だが、これまでの再処理の建前はうそで、原発を運転し続けるための方便ということがはっきりしたことで、再処理事業の存続意義はますます揺らぐことになりそうだ。
 電事連は「(秘密勉強会の)出席者や発言者の確認をしていない」として、検証チームへの資料提出を拒否している。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090502000123.html

120905
東京新聞120905

ウソと恫喝で武装した(しなければならない)原発政策が破綻しているのは明らかである。


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