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2012年9月21日 (金)

野田氏のポジショニングは自民党総裁候補と無差別

民主党代表選は、予想通り野田首相が選出された。
国会議員票が2ポイント/人で計672ポイントの他、国政選公認内定者票が9ポイント)、地方議員票が14ポイント、党員・サポーター票が409ポイントで、計1231ポイントであるが、野田氏は818ポイントを獲得した。
他の3人は、、原口氏が154ポイント、赤松氏が123ポイント、鹿野氏が113ポイントだった。
しかし、事実上総理大臣を選ぶ選挙にしては、まったく熱気がなく盛り上がりもない選挙戦だったといえよう。

野田佳彦首相が圧勝した民主党代表選が盛り上がらなかったのは「次の総選挙でも過半数をとって与党でいる」と思う人が、票を投じた議員や党員の中に、ほとんどいなかったからにほかならない。7割近い得票率とは裏腹に、首相を取り巻く空気は「他に適当な人がいない」「野党になってしまうから」との消極的な信任だ。強敵も盟友もいない首相を支える基盤は、極めてもろい。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2102R_R20C12A9000000/

このような状態で、総選挙を先送りするのは自分勝手な無責任な態度というべきであろう。
ところで、ビジネス・パーソンに馴染みの深い言葉として「ポジショニング」という用語がある。
ターゲット市場において、競合から自社を差別化し、優位な地位を占めるための考え方である。

 製品ポジショニングとは、ターゲットとした市場において自社製品を差別化し、相対的に優位な地位を占めようという考え方であり、その目的には2つの観点があります
 1点目は、競合製品との対比で、自社製品の差別化のポイントを顧客にどのように理解させて、購買決定を促すかという観点です。2点目は、自社の製品ラインにおける当該製品の位置づけを明確にするという観点です。これは自社製品がカニバリゼーション(自社製品同士が同じ顧客層を取り合う、いわゆる市場の共食い)を起こさないようにチェックするという目的で行われます。

民自党首選において、民主党4人の他に、自民党5人の候補者が立候補した。
それぞれ、党首選というターゲット市場において、自分を他の候補者といかにして差別化を図り、優位に立とうとしているか工夫を凝らしていると考えられる。

民主党の党首は、当面の総理である。
野田氏が再選されたが、、任期はどれくらいか不明である。
一方、自民党の党首は野党の党首に過ぎないが、野田-谷垣の密談により、「近いうちに」行われるはずの総選挙で、政権回復が実現すれば、次の(?)総理である。
もちろん、総選挙がいつになるか、その結果がどうなるかは分からないが、少なくとも自民党の候補者(の何人か)は、本気でそう考えているに違いない。

とすれば、ターゲット市場は、それぞれ自分の党だけではないことになり、国民全体がターゲットとも考えられる。

興味深い図が東京新聞の9月20日に載っている。
民自党首選候補者9人を、「タカ派-ハト派」「公助-自助」の2軸によりポジショニングしたものである。
Photo
もちろん、軸の取り方や、各候補の位置については別の考え方もあろう。

興味深いのは、野田氏が他の民主党候補者と比べると、自民党候補者に近い位置にあることである。
自民党が「タカ派&自助」の象限に集まっているのは、賛成か反対かは別にして、同じ政党であるから当然ともいえよう。
そして、民主党候補者の中では、野田氏だけがこの象限に位置している。
自民党野田派という世評を裏書きしたものといえる。
⇒2012年6月10日 (日):政権は自民党野田派か?/花づな列島復興のためのメモ(82)

民主党候補者のポジションが離れているのは綱領なき政党らしい。
⇒2011年8月24日 (水):綱領なくして漂流する民主党の出口戦略を問う
しかし、党のアイデンティティこそが問われていることを、各候補者はどの程度自覚していたのだろうか?
⇒2012年6月17日 (日):政党のアイデンティティを徴表するもの/花づな列島復興のためのメモ(87)

「革新的エネルギー・環境戦略」や「オスプレイの安全宣言」を見ても、民主党政権は支離滅裂である。
このような政権は国益を損なう。

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