野田内閣不信任の根拠/花づな列島復興のためのメモ(125)
今日の大手紙の社説は良く似た書き出しである。
朝日新聞
広島はきょう、長崎は9日に、被爆から67年を迎える。
毎日新聞
広島は6日、長崎は9日に「原爆の日」を迎える。
読売新聞
広島は6日、長崎は9日に原爆忌を迎える。
いずれもヒロシマ、ナガサキの被爆体験を後世に伝えていかなければならないとする。
第二次大戦後の世界の主要な課題は、核兵器の拡散防止と原子力の平和利用、たとえば原発の推進であった。
わが国は、核兵器を保有せず、しかし核の平和利用(原発)については世界第3位の大国となった。
⇒2011年5月19日 (木):核エネルギー利用と最終兵器/『ゴジラ』の問いかけるもの(3)
しかし、ヒロシマ、ナガサキに加え、原発事故の発生により、フクシマの地名が世界的に有名になってしまった。
唯一の核兵器の被爆国は、同時に世界に3カ国しかない原発のシビヤアクシデントの発生国となったのである。
上図をみれば、日本が如何に特異なポジションにあるかが分かる。
これからの日本は、唯一の被爆国という立場を、脱原発のために有効に使わなければならないだろう。
理解しがたいのは読売新聞社説が次のように説いていることである。
疑問なのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、一部で核軍縮や平和への希求に絡めて脱原発が主張されていることだ。
原発も大事故に至れば放射性物質の拡散を招くが、大量殺りく兵器と原子力の平和利用とを同列に論じるのはおかしい。
原発事故は、安全対策をしっかり講じれば防ぎ得る。事故の教訓を生かし、世界の原発の安全性向上に貢献することが、むしろ日本の責務ではないのか。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120805-OYT1T00982.htm
原発大国になるについて、正力松太郎が大きな役割を果たしたことが縛っているのであろうか。
大量殺りく兵器と原子力の平和利用とを同列に論じるわけではないが、現に大事故は起き、大量の放射性物質を放出しているのである。
⇒2011年9月20日 (火):原発と原爆/「同じ」と「違う」(32)
その事故の原因究明が不十分なまま、そして最小限の安全対策もなされないまま、原発再稼働が行われている。
野田内閣を信任するわけにはいかない大きな理由である。
野党7党の内閣不信任決議案は、いつ提出されるか?
あるいは、自民党はこれと別に、内閣不信任決議案を提出するのか?
私は、政党間の駆け引きで、いずれの不信任決議案も否決という結果にならないことを願う。
野田内閣支持率は、もはや末期的である。
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_cabinet-support-cgraph
私は政治を支持率を根拠にして行うべきだとはとは思わないが、野田氏は国民に支持されないことを推進することが政治家の仕事だと勘違いしているのではなかろうか?
確かに、国民の嫌がる政策であっても、国家の計にとって必要な政策はあるだろう。
私はそうは思わないが、仮に「消費税増税」が待ったなしの課題であるとしよう。
しかし、消費税増税が、相対的に優れた解決策であることについて、納得するまでの説明は行われていない。
「ギリシャのようになる」という脅し以外は。
消費税の問題は、考え方の違いということもあるかも知れない。
あるいは、私の理解が浅いということもあろう。
しかし、国民生活の安全性ということについては、論理的に信頼できない。
オスプレイの配備・運用について、「安全が確認されるまで飛行を行わない」という説明がされている。
しかし、どうやって「安全」を立証するのだ?
森本防衛相が、実際に搭乗してみてその感想を語っていた。
まさか、その一度の搭乗体験で安全性をいうことはないだろうが、米国関係者の中にも疑念を持つ人がいる状態で、どういう説明をしようとしているのだろう。
野田氏の思考回路が混乱している(というよりも思考が停止している)のは、原発再稼動問題で明らかである。
清水修二福島大学教授は、著書『原発とは結局なんだったのか いま福島で生きる意味』東京新聞(1207)の、6月10日の日付のある「あとがき」で次のように追記している。
「福島後」の政治的試金石であった福井県大飯原発の再稼動問題は結局、総理大臣の「元の木阿弥宣言」でケリがつけられそうだ。「(防潮堤もできていないのに)安全対策は整った」「(原子力政策大綱も見直されていないのに)夏場を乗り切るためだけでなく今後も原発は必要」「(国民が節電の覚悟を固めようとしているのに)原発を動かさなければ国民生活は成り立たない」云々。全く何も変わっていない。呆然とするばかりだ。
こんな首相を信任するのは誰か?
民主党と自公両党の全代議士が信任(不信任案を否決)するのか?
私は、個々の代議士の態度を記憶に留めておきたい。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
「思考技術」カテゴリの記事
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 横畠内閣法制局長官の不遜/安部政権の命運(91)(2019.03.12)
- 安倍首相の「法の支配」認識/安部政権の命運(89)(2019.03.10)
「花づな列島復興のためのメモ」カテゴリの記事
- 公明党の存在理由/花づな列島復興のためのメモ(336)(2014.06.29)
- 2014年W杯敗退の教訓/花づな列島復興のためのメモ(335)(2014.06.28)
- 「失言」体質と自民党の病理/花づな列島復興のためのメモ(334)(2014.06.26)
- ホンネの表出としての失言/花づな列島復興のためのメモ(333)(2014.06.23)
- 品位を欠く政治家にレッドカードを!/花づな列島復興のためのメモ(332)(2014.06.20)
この記事へのコメントは終了しました。

コメント