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2012年8月11日 (土)

空疎なレトリックの野田記者会見/花づな列島復興のためのメモ(128)

消費税増税が可決した後の野田首相の記者会見の模様をTVで視聴したが、何ら誠実性が感じられない空疎な言葉を連ねたものだった。

消費税引き上げは、2009年の衆院選で民主党のマニフェスト(政権公約)に記載していなかった。深く国民の皆さまにおわびしたい。引き上げられた増収分は全て社会保障として国民に還元される。
 決断しなければならない時に決断する政治を行うことこそ、最大の政治改革だ。先輩政治家たちが消費税を導入、税率を引き上げた時、筆舌に尽くし難い大変なご苦労をした。私自身も想像を超える厳しい困難があった。政治生命を懸ける覚悟がなければ、ぶれたり、逃げたり、避けたり、ひるんだりする可能性があった。だからこそ、不退転の覚悟を述べた。
・・・・・・
 (解散について)特定の時期を明示的に示すことはふさわしい話ではない。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012081001251

「深く国民の皆さまにおわびしたい」と言いつつ、心からそう思っているわけではないことが透けて見える。
野田氏は政権交代を実現した総選挙で「書いてあることは命懸けで実行する。書いていないことはやらない。それがマニフェストのルール」と演説していた。
http://www.youtube.com/watch?v=y-oG4PEPeGo

それが消費税増税に政治生命を懸けるという。
これ以上の「マニフェスト違反」は考えられないくらいだろう。
もちろん、マニフェストを絶対視するのもどうかとは思うが、考えが変わったときには、きちんと理路を説明すべきだろう。

将来の社会保障のあり方も決まらず、身を切る改革も進んでいないままである。
野田氏は、「増税の前にやるべきことがある」という批判にたいして、「今求められるのは、重要な課題を先送りしない決断する政治』だ」と言った。
しかし、やるべき順番がやっぱりおかしいのではないのか?

「重要な課題」は消費増税だけではない。
いまの状況だと、消費増税法案を可決した「だけ」で退陣せざるをえなくなるのではないか。

「政治生命を賭ける」のだから、あるいは本望かも知れない。
野田氏の胸中を忖度すれば。「国の財政を考えるとこれ以上、借金を増やして、孫子の代にツケを回すことだけは避けたい。国民に嫌われても、自分が首相である問に消費税増税を決めなければならない」ということであろうか。

確かに、税収を上回る借金を毎年重ねていたら、破綻することは多くの国民も理解するところである。
しかし 同時に、60%近くの国民が、「消費税増税法案は、今国会で成立しない方がよい」と答えているのである。
野田氏の胸の中の思いは、国民に響いていないのだ。
何故か?

あまりにも説明がないからだろう。
将来の年金、医療、介護はどうなるのか?
歳出削減はどうなるのか? 
特別会計の実態はどうなにか?
まさかパフォーマンスのような仕分け劇場で終わり、ということではないだろう。

それでも足りないのは、どれくらいなのか?
電力需要の構造の説明抜きに、原発再稼動を決めた思考とそっくりである。
そして、増税するにしても、なぜ消費税が優先的か?

野田氏を見る国民の目は、野田氏の思いとは逆に、「決断してはいけない時に決断した政治家」ということではないか。
「近いうち」に来るであろう意思表示の機会に、国民の声を顕在化しなければならないだろう。

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