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2012年8月23日 (木)

将来の原発比率に関する民意/花づな列島復興のためのメモ(134)

2030年時点の原発依存度をどう考えるか?
政府は意見聴取会や討論型世論調査により民意を探り、今後のエネルギー・環境政策に反映するとしている。

 古川元久国家戦略相は13日午前に会見し、12日に締め切ったパブリックコメントの意見が8万件超に上ったと明らかにした。「公正性、中立性、透明性を担保する観点に立ち、結果をどう整理するか専門家に意見をいただく」と述べた。会合は世論調査を専門とする学者らで構成、インターネットなどで公開する方針。
 政府は中長期的なエネルギー構成の選択肢として、30年時点の発電量に占める原発比率が「0%」「15%」「20~25%」の3案を提示。7月からパブリックコメントのほか、約1300人が参加した全国14都市での意見聴取会や、市民286人による「討論型世論調査」を開いてきた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120813/plc12081310530005-n1.htm

国民的議論を検証する専門家会合が22日開かれた。
意見聴取会、パブリックコメント、討論型世論調査のいずれにおいても、「原発ゼロ」の選択肢が「15%案」「20~25%案」を圧倒する結果となった。
Photo
東京新聞120823

初めての試みである討論型世論調査では、国民同士で意見を交わした結果、「原発ゼロ」を期待する声がより一層強まる結果となった。

Photo_2
 結果について、DPの実行委員会(委員長・曽根泰教慶応大大学院教授)は「政府や電力会社、専門家が発する情報への信頼は大きく失われている」と指摘。「国民の熟慮が進むほど、国民は自ら発想を転換し、原発から(再生可能エネルギーなど)グリーンへ向かう政策転換を引き受ける用意があることを示唆している」と分析した。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082290135908.html

政府とは別に、民間版「討論型世論調査(DP)」の討論会が12日、上智大で開催され、約60人が参加して1日がかりで議論した。
幅広い論点や将来予測の不確実さに戸惑いがみられたというが、やはり「原発ゼロ」を選択する人が過半数だった。

このような結果は、そもそもの政府の狙いとは異なるものといえよう。
国民はすでに脱原発に「腹を据えて」いるのである。
政府の先を行っているのであり、「3・11」から学ぶことをしない民主党政権とは対蹠的である。

政府は何を企図していたか?
大前研一氏は、政府のやり方を次のように批判している。

 政府は、原発依存度のシナリオを3つ並べて国民に選ばせれば、喜んで飛びつくし、国民の意見をよく聞いたことになると思っているのである。実に安直な手法と言わざるを得ない。
 「三択」で国民に問うというやり方は、いまの政権が自ら考え、正しい政策を国民に提示するという能力がまったくないことを示している。実態はもっとお粗末で、三択を議論させたところ、真ん中の15%という原発依存度が選ばれる(ハズだ)という卑怯な仕掛けとなっている。
 いままでの意見聴取では圧倒的に「原発ゼロ」という意見陳述者が多いので、細野豪志環境大臣兼原発事故担当大臣だけでなく、古川大臣に近い仙谷由人政調会長代行などは15%が望ましい、などと助け船を出さざるを得ないハメになっている。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120806/318886/?ST=rebuild&P=2

大前氏ならずとも、政府が「15%案」を落としどころと考えて誘導しようとしていただろうことは察しがつく。
政府の設置する専門家会合は、世論をどう反映していくであろうか。

それにしても、意見聴取会等の野田政権のやり方は拙劣と言わざるを得ない。
意見聴取会も討論型世論調査も、業務受託は大手広告会社の博報堂である。
⇒2012年7月15日 (日):エネルギー・環境会議の意見聴取会の実態/花づな列島復興のためのメモ(111)

しかし、その選定過程の詳細はベールに包まれている。
自民党時代は電通が圧倒的なシェアを占めていたそうである。
本間龍『電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ』亜紀書房(1206)は、大手広告会社のメディア支配力と世論誘導の実態を描いている。
博報堂は、将来の原発比率に関する業務においては、ヘタを打ったようだ。

そもそも将来の電源構成に民意は生かすべきだが、専門家もきちんと役割を果たすべきだ。
民意頼り、民意に丸投げは、ポピュリズムそのものであろう。
今月や来月といった短期間に結論を出せるような問題ではないだろう。

廃炉にしても、全体構想が見えていない。
使用済み燃料の処理もメドが立っていない。
そんな状況で、三択など示されても考えようがないではないか。

先ずは、福島原発事故を「真の意味で収束させる」ことが先であると思う。
それまでの間は、原発の稼働は見合わせるべきではないか。

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