大岡信『二人の貧窮者の問答』/私撰アンソロジー(15)
『万葉集』には、恋とか叙景の歌以外に、現実の生活を詠った歌がある。
代表的なものとして、山上憶良の『貧窮問答歌』がある。
苛政に苦しむ民衆の姿が描かれており、読んでいて胸が痛くなる。
石森愛彦・絵、工藤雅樹監修『多賀城焼けた瓦の謎 』文藝春秋(0707)。
奈良時代、律令国家は勢力を拡大すべく、陸奥に手を伸ばした。
そこは蝦夷(えみし)と呼ばれた人々が、すでに長年にわたり生活を営んできたところだった。
蝦夷との争いのため、多くの民が徴収され、生活は疲弊した。
⇒2007年9月28日 (金):律令国家と多賀城
⇒2007年9月29日 (土):多賀城炎上
⇒2007年10月 1日 (月):歴史の転回点
三島駅北口の「大岡信ことば館」で、「大岡信の万葉集展 旅人と憶良」を開催中である。
⇒2011年7月 9日 (土):「大岡信ことば館」における『私の万葉集とことば』座談会
⇒2011年11月27日 (日):柿本人麻呂の時代と日本語/やまとの謎(49)
山上憶良は、奈良時代を代表する歌人で、『万葉集』に78首が選ばれている。
『貧窮問答歌』の展示が中心に置かれている。
展示は、毎回造形的な工夫が凝らされているが、今回も外側から眺めるだけでなく、内側から眺めるというものだ。
「逆転の発想」の一種である。
上の写真は内側から見た作品である。
消費増税法案が可決した。
毎日新聞調査では、「暮らしに影響」するとした回答が9割を占めた。
10日成立した消費増税法は、現行5%の消費税率を14年4月に8%、15年10月に10%へ段階的に引き上げる。暮らしに「影響しない」と答えた人は「あまり」(4%)、「全く」(1%)の計5%にとどまった。「影響する」との回答は20代と70代以上を除き、9割強。特に子育て世代とみられる30代で96%、40代でも95%に達した。
http://mainichi.jp/select/news/20120813k0000m010125000c.html
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