7世紀(白鳳)の3連動大地震/花づな列島復興のためのメモ(135)
文献に残る最古の大地震といわれる白鳳地震と同時期に東海地震も起きていたらしい。
白鳳地震とは、Wikipediaによれば、以下のようなものであった。
天武天皇13年10月14日人定(亥時)(ユリウス暦684年11月26日20 - 22時頃、グレゴリオ暦684年11月29日)、西日本太平洋沿岸に大地震が発生した。
山崩れ、河涌くとする液状化現象を思わせる記録があり、諸国の郡の官舎、百姓の倉屋、寺塔、神社が多く倒壊した。伊予の道後温泉や紀伊の牟婁温泉が埋もれて湧出が止まり、津波が襲来し土佐における被害がひどく調を運ぶ船が多数流失、田畑50余万頃(約12km2)が海中に没した。この様相は昭和南海地震、安政南海地震および宝永地震にも見られた現象であり、田畑の水没は南東上がりの地盤変動によると思われる。土佐の沈降して海となった地は、江原真伍による土佐市の高岡付近とする説および、今村明恒の高知市東部とする説などがあり、昭和南海地震による類推から高知市東部の可能性が高いが、高岡方面の沈降も否定できないと推定される。
マグニチュードはM8.4ないしM8.3などと推定されているが、その根拠は畿内から土佐と広い範囲に被害が及んだ南海トラフ沿いの巨大地震との推定のみであり、断片的な記録しか有しない歴史地震であるため数値は不確定性を含む。
「白鳳」という年号は肝心の『日本書紀』には記載がなく、いわゆる古代逸年号とされるものの1つである。
⇒2008年1月12日 (土):「白鳳」という時代
⇒2008年2月20日 (水):白鳳年号について
したがって、白鳳地震という呼び方には注意が必要であろう。
しかし、遥かな昔のこととしてロマンティックに考えていた「白鳳」という時代が、生々しく迫ってくるような気がする。
産業総合研究所の藤原治主任研究員らによれば、静岡県磐田市の太田川河口から約2・5キロの元島遺跡と、さらに500メートル上流の河川改修工事現場の調査から、津波跡を確認した。
藤原主任研究員らは、両地点で深さ約5メートルの地層に四つの砂層があるのを確認。海から運ばれた貝の化石や鉱物を含み、堆積構造が海から陸へ流れ込んだ状況を示していることから、洪水ではなく津波と判断した。
四つの砂層の年代は、炭素同位体による年代測定で7世紀後半、9世紀後半、11世紀後半、15世紀後半と判明。南海トラフを震源域とする白鳳南海地震、仁和南海地震(887年)、永長東海・東南海地震(1096年)、明応南海地震(1498年)と一致した。仁和南海地震も、同時期の東海地震を示す文献は見つかっていなかった。
仁和地震の痕跡は白鳳地震より小さく、3連動の可能性は低いとみられる。
http://www.at-s.com/news/detail/397739235.html
磐田市で見つかった津波堆積物は、『日本書紀』の記述では南海地震しか窺えないものが、東海地震も起きていたことが確認されたわけである。
調査地点は、浜岡原発にも近い。
さすがに中電も浜岡原発地域における津波跡調査を実施するという。
しかし、津波を防げても万全とはとても言えない。
3連動地震のまさに震源域にあるのだから、地震の揺れの基準はどうなのか?
国会事故調は、福島第一原発事故の直接的な原因として、地震の揺れも否定できないとしている。
⇒2012年7月21日 (土):原因を「想定外の津波」に限定していいか?/原発事故の真相(40)
将来的な電源構成はともかく、大地震の震源域にあり、大津波の記録が発見された浜岡原発は、即時廃止とすべきではないか。
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