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2012年7月 6日 (金)

国会事故調と大飯原発再稼働/花づな列島復興のためのメモ(104)

7月5日、大飯原発3号機が再稼働した。

 関西電力は5日、大飯原発3号機(福井県おおい町、118万キロワット)の発電と送電を再開した。経済産業省原子力安全・保安院などによる特別な監視体制の責任者である牧野聖修副経済産業相が開始作業に立ち会い、午前7時に送電が始まった。9日にもフル稼働に達する見通し。大飯3号機の送電は約1年3カ月ぶり。原発による発電は5月5日に北海道電力泊原発3号機の運転が停止して以来、2カ月ぶりとなる。
http://mainichi.jp/select/news/20120705k0000e020153000c.html

一方、この日、福島第一原発事故の国会事故調の最終報告が提出された。

4120706 東京電力福島第1原発事故で、国会が設置した事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、「事故は自然災害ではなく、明らかに人災だった」とする報告書をまとめ、衆参両院議長に提出した。
 報告書は「第1原発は地震にも津波にも耐えられる保証がない脆弱な状態だったと推定される」と指摘。「東電や規制当局の原子力安全委員会などは地震や津波による被災の可能性、シビアアクシデントへの対策、住民の安全保護など当然備えておくべきことをしていなかった」と批判した。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012070501001037.html

国会事故調の最終報告の当日、原発による発送電が再開されるというのも、考えてみればスゴイことだ。
調査報告など、どうでもいい、というようなものだからだ。
今の日本で最高の有識者による報告書であるにもかかわらず、である。
⇒2012年5月28日 (月):国会事故調への期待/原発事故の真相(31)

国会事故調最終報告書は大部のものであるが、「要約」の「はじめに」の冒頭に次のようにある。

福島原子力発電所事故は終わっていない。 これは世界の原子力の歴史に残る大事故であり、科学技術先進国の一つである日本で起きたことに世界中の人々は驚愕した。世界が注目する中、日本政府と東京電力の事故対応の模様は、日本が抱えている根本的な問題を露呈することとなった。
http://www.slideshare.net/naiic/naiic-youyaku-13550588

今後、脱原発の方向に進むにしろ、原発利用の拡大を図るにせよ、「日本政府と東京電力の事故対応の模様」をきちんと総括すべきであることは言うまでもない。
「露呈することとなった日本が抱えている根本的な問題」を踏まえないでは、未来図を考えることはできない。

そして、「認識の共有化」として、次のように書かれている。

平成 23(2011)年 3 月 11 日に起きた東日本大震災に伴う東京電力福島原子力発電所事故は世界の歴史に残る大事故である。そして、この報告が提出される平成 24(2012)年 6 月においても、依然として事故は収束しておらず被害も継続している。破損した原子炉の現状は詳しくは判明しておらず、今後の地震、台風などの自然災害に果たして耐えられるのか分からない。今後の環境汚染をどこまで防止できるのかも明確ではない。廃炉までの道のりも長く予測できない。一方、被害を受けた住民の生活基盤の回復は進まず、健康被害への不安も解消されていない。        

今後の原発に関する議論は、上記のような認識から出発しなければならないはずだ。
政府や東電は、報告書の含意をしっかりと受け止めなければならない。

この事故が「人災」であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった。

上記の指摘は重い。
しかるの、この報告書が出るのを待たないで、大飯原発の再起動を指示した野田総理の本音はどこにあるのだろうか?
よく分からないが、報告書が出ると再稼働に対する批判が高まると考えたのだろうか?

実際、国会事故調の報告書のトーンは、政府や東電に対して厳しいものであるといえる。
だからといって、それが待てない、あるいは待っても仕方がない、とする心理が分からない。
電力需要がピークになる真夏に向けて、供給が間に合わないということだろうか。
それが「国民の生活に対して責任を持つ」ということだろうか?

私は、「世界の原子力の歴史に残る大事故であり、科学技術先進国の一つである日本で起きたことに」思いを巡らすならば、総理としては、せめて「この夏は、非常事態であるから、ムリをしてでも節電しよう」と語りかけて欲しかった。
それとも、首相官邸に押し寄せる「再稼働反対」のデモの声を、「大きな音」としか感じない人には、何を言っても無駄であろうか?

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