エネルギー・環境会議の意見聴取会の実態/花づな列島復興のためのメモ(111)
政府のエネルギー・環境会議が国民の意見を聴く会が、14日、さいたま市で開かれた。
この聴取会については、そもそも選択肢の提示の仕方に疑問がある。
⇒2012年7月13日 (金):将来の原発比率と「討論型世論調査」/花づな列島復興のためのメモ(109)
意見聴取会は、仙台、名古屋、札幌、大阪、富山など会場にして、8月4日まで続けられる予定だが、結論ありきのアリバイ作りという性格が露わに出ているようだ。
さいたま新都心合同庁舎の講堂に、事前に登録した約170人が集まったが、空港の手荷物検査場並みの警戒ぶりだった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071502000118.html
発言は抽選で選ばれた9人が、それぞれ8分以内で考えを述べた。
9人は、発言希望者から、コンピューターにより選んだとされている。
各選択肢毎に3人ずつ、計9人である。
9人の発言が終わった後、もう一度補足的に意見を言う機会があったが、持ち時間はわずか2分。
発言者の間で意見を交わすことはなかった。
「傍聴の皆さんもご意見をアンケートに記入いただいてお帰りいただければとお願い申し上げます」
枝野幸男経済産業相が閉会のあいさつを終えると、傍聴していた埼玉県川口市のNPO法人代表、浅羽理恵さん(47)が立ち上がって叫んだ。
「すいません! 今回の進め方について一つ…」。ところが、発言を始めるとすぐに司会者が遮った。「本日は選ばれた方のみにご意見をいただくことになっております。発言はご遠慮願います」
打ち切り宣言に「ふざけんな。聴いてやれ」と会場に怒声が響いた。だが、枝野氏は「今回は決めさせていただいた運営方法でやらせていただきたい」とそのまま閉会した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071502000118.html
この調子で聴取会が行われたとしたら、とても国民の意見を広く聴いたとは言えまい。
運営を請け負っているのは大手広告代理店の博報堂だそうである。
自民党政権の時代は電通の独壇場だったと聞いているが、政権交代の余波であろうか。
電力会社や原子力関係団体等が、豊富な資金にいわせて、デンパク(電通、博報堂)等の大手広告代理店の力を利用し、世論操作まがいのことを行ってきたことは想像に難くない。
デンパクは、クライアントの意向に忠実であることがミッションである。
電力会社や原子力関係団体等は優良クライアントだったであろうから、デンパクもエース級を投入していたに違いない。
かくして、世の中には、原発に好意的な情報が圧倒的な量で流布していた。
少なくとも、福島原発事故の深刻さが広く知れ渡るまでは。
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