福島の再稼動も目論んでいるのか?/原発事故の真相(39)
いま頃、何を言っているのかと思う。
関西電力大飯原発(福井県)と北陸電力志賀原発(石川県)の敷地内の断層が活断層か判断するため、経済産業省原子力安全・保安院は18日、両電力に追加調査を指示した。提出済みの志賀1、2号機の再稼働の前提となる安全評価(ストレステスト)1次評価の審査については、直下断層の調査結果が出るまで最終的な判断は見送る方針を示した。
一方、大飯原発は3号機が既に再稼働し、4号機も18日夜に起動。保安院は調査中も運転停止は求めない方針という。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120718-00000106-mai-soci
これだけ再稼動反対の声が涌き上がっているのに、敷地内の断層が活断層かどうか判断するための調査をこれからする?
関係閣僚会議の行った大飯原発の安全評価とは何なのか?
一方、東電の料金値上げ問題等をめぐり、会計処理の方針が問題になっている。
減価償却をどうするのかという問題である。
東京新聞120718
減価償却とは何か?
よく使われる割に、余り理解されていない言葉の1つだろう。
解説を見てみよう。
減価償却には次の3つの側面があるといわれる。
高額の装置で何年も使えるものを、購入した時点の費用とすることは不自然である。
装置が使われている期間で少しずつ費用化する方が合理的である。
そういう思想によるものであり、損益計算書(P/L)上は、工場等で発生すれば原価に、本社等の間接部門で発生すれば販管費(販売費および一般管理費)として計上される。
同じ数値が貸借対照表上は資産価値の減少として表現され、キャッシュフロー上は(すでに現金が出て行ってしまっているのであるから)資金回収として計上される。
原発の原子炉等の減価償却費は売上原価の構成要素であるから、料金算定の基礎となる。
料金(売上)=費用+利益
という、「儲け」の方程式である。
⇒2012年5月30日 (水):東電の儲けの方程式/花づな列島復興のためのメモ(74)
東電は第1原発の5、6号機と第2原発について、存廃を「未定」としている。
つまり、チャンスがあれば稼働させたいということだ。
稼働していなくても、稼働の可能性あり、ということで減価償却できる。
キャッシュは出ていかない上、料金に算入できるとあらば、必死になるだろう。
しかし、会計処理の基本原則は、保守主義である。
つまり悪い場合を想定して判断せよ、ということである。
保守主義で考えれば、福島の再稼動はあり得ないとすべきである。
東電の監査法人はどういう見解なのか?
しかも、社会に与えた損失のことを考えれば、減価償却してそれを料金算定に加算しようというのは、それこそ「盗人猛々しい」というものではないか。
「損失の社会化と利益の私物化」であり、繰り返されてきた公害の図式である。
ここで廃炉を認めれば、一括で減損処理をしなければならなくなり、赤字転落を免れ得ない。
そうすると、破綻企業の烙印を押されかねない。
東電・政府はそうも考えているだろう。
しかし、東電は今後巨額の損害賠償の耐えうると考えているのだろうか?
あるいは、原子力損害賠償法によって、被害者への賠償がすべて完結すると考えているのだろうか?
客観情勢をみれば、福島原発の再稼働の可能性があるとするのは、空想的であり、観念論というべきである。
しかし、盲目状態の野田政権は、福島原発を再稼動させたいと本気で考えているかも知れないのだ。
仙谷氏が、稼働しないと不良資産になるといったことを考えれば、そのような未練の気配が濃厚である。
もはや東電は、独立企業体として存続しえないと見るべきであろうし、何が何でも電力会社の立場に立とうとする野田政権は終わりにしなくてはならないだろう。
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