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2012年7月26日 (木)

土用の丑の日に因んで

三島市は水の都と呼ばれて(自称して)いる。
⇒2009年4月24日 (金):水の都・三島と地球環境大賞
市内各地で富士山の雪解け水が湧出しているが、市内のうなぎ屋では、この湧水にうなぎを2~3日打たせ、うなぎ特有の臭みや余分な脂を落としている。
市内のうなぎ屋は、「うなぎ横町」という統一ブランドを使用している。
Photo_6
ざ・うなぎ横町掲載店

そのウナギの高騰のニュースが連日報じられている。
明日は土用の丑の日ということもあって、各紙のコラム欄もウナギをサカナ(?)にしたものが多い。

北海道新聞:卓上四季
・・・・・・ さて、いま日本のウナギ業界ではこんな談議が交わされているようだ。「中国・台湾産も高くなった。マダガスカル産がいけるかも」「タスマニアの天然ものも期待できそうだ」―▼マダガスカルはアフリカ東岸、タスマニアは豪州南部の島。ウナギ稚魚の歴史的不漁で国内資源が枯れる中、世界中に産地を探る動きが加速している。古今東西、人類を走らすウナギの魔力。恐るべし・・・・・・

信濃毎日新聞:斜面
高くて手が出にくいとなると、余計に食べたくなるのが人情かもしれない。ウナギの話である。スーパーも心得ていて、細かく刻んだり、1匹を二つに切り分けたりし、値を抑えた品を並べている◆代わりにも事欠かない。アナゴはもとより、豚肉のかば焼き弁当なるものも見かけた。土用の丑(うし)の日に「う」の付く食べ物をとると体に良いとの言い伝えから、牛肉や豆腐などの特売を予定する店もある   ◆ユニークなのは金沢市の食品研究所。おからや豆腐、魚のすり身をウナギの型に入れて焼き上げた。コンブで“皮”も作り、見た目だけでなく「食感にもこだわった」と話す。名古屋市の和菓子店でも、まんじゅうなどを材料にうな重にそっくりな菓子を創作している・・・・・・

中日新聞:中日春秋
信心深いご隠居が、鰻(うなぎ)屋の前を通り掛かる。鰻が割(さ)かれそうになっているのを見て、止めに入る。「殺生はやめなさい」と買い取り、鰻を川に放してやる▼次の日も通り掛かり、銭を出し鰻を助ける。それが日課のようになり、鰻屋は、労せずに儲(もう)かると大喜び。さすがに往生したご隠居は店を避けるようになったが、たまたま鰻を切らした日に、通り掛かる▼商機逃すまじ、とあわてる余り鰻屋が赤ん坊をまな板の上に載せると、隠居もあわてて赤ん坊を取り上げ、店の前の川に、ざぶぅーん。落語『後生鰻』は何ともグロテスクな落ちで終わる・・・・・・

東京新聞:筆洗
鰻(うなぎ)屋の隣に越してきた男は、鰻を焼く匂いでご飯を食べるのが日課だった。月末、鰻屋の主人が、請求書を持ってきた。「うなぎのかぎ代、六百文」▼男は、持ってきた小銭をじゃらりと鳴らした。「匂いのかぎ賃だ。そっちも音だけ取っておきな!」。渋ちんな主人公が登場する落語のまくらでよく聞く小咄(こばなし)である・・・・・・

河北新報:河北春秋
<鰻(うなぎ)屋は 給料前に 鰻食う>。目の前の養殖池から選び取り、好きな時に食べられるぜいたく。何ともうらやましい川柳の作者は静岡県焼津市でウナギ養殖業を営む片岡征哉さん(47)▼「給料前のお金がなくなるころになると、妻に言われるんですよ。お父さんウナギ持って来てって」。わが子のようにウナギを育てているのだから、1匹失敬するのも当然のご褒美か▼故池波正太郎さんの小説『看板』は、生涯一回きりのうなぎをごちそうになる話だった。盗賊の親方がひょんなことから、さる女性と知り合う。その心ばえに感心し、何かごちそうさせてほしいと頼む▼遠慮していた女性はやがて、うなぎを選んだ。好物だったからではない。どうしても一度、食べてみたかったのだ。「さア、おあがり」「こんなに、おいしいものだったんですかねえ」・・・・・

こんな具合である。
産経新聞の産経抄は、23日に次のように書いている。

葛飾北斎のスケッチ集「北斎漫画」にある「鰻(うなぎ)登り」は、3尾の巨大な鰻が鰻屋のまな板から職人の手をすり抜けて、天に昇っていく様子を描いたものだ。幕府の経済政策の失敗による物価の高騰を暗に批判している、との説もある。▼ただ江戸研究家の杉浦日向子さんは生前、当時の蒲(かば)焼きはもともと高価なごちそうだった、と語っていた。大工の日当が400文から600文だったのに対して、1人前が200文以上もしたそうだ。なにしろ、客の顔を見てから鰻を吟味し、割いて焼くから手間暇かかる。▼客の方は酒を飲んだり、男性なら女性を口説いたりして、待ち時間を楽しんだという。たまには江戸の人々のように、オツな時間を過ごしてみたいものだが、蒲焼きはますます庶民の口に入りにくいものになっている。▼昨今の価格高騰は、養殖に欠かせない稚魚(シラスウナギ)が東アジアで3年連続の不漁となっているのが原因だ。平成16年に1キロ当たり約25万円だったのが、今年は200万円以上に値上がりしている。鰻の資源そのものが枯渇に向かっているとしたら、大変な事態である。・・・・・・

各社を代表するであろう名文記者が揃ってウナギを書いている。
先日、朝日新聞は1面のトップで取り上げていた。
⇒2012年7月17日 (火):新聞の紙面構成の違い/花づな列島復興のためのメモ(113)
それだけ日本人の暮らしに入り込んでいるということだろう。
今日の日経新聞は社説である。
以下のように結ばれている。

ウナギを本当に絶滅危惧種としないために、乱獲や密漁を防ぐのは日本の責務だ。天然資源に頼らずにすむ、完全養殖の事業化も急ぎたい。

ところで、ウナギの完全養殖の見通しはどうだろうか?
水産庁が、25、養殖ウナギの卵をふ化させて成魚にする「完全養殖」で、稚魚のシラスウナギを年間1万匹生産できる技術を5年後に確立する方針を明らかにした。

ただ、完全養殖による稚魚の生産コストは現在1匹当たり数万円と高い。ウナギの養殖業者が仕入れる稚魚は年間1億匹とされ、1万匹の生産では追い付かない。ウナギが手ごろな価格で味わえるまでには依然課題が多そうだ。
http://www.at-s.com/news/detail/397730716.html

ウナギの生態には謎が多いうと言われる。
太平洋を往復6000kmに及ぶ長旅をする。
その回遊の旅程は下図のように推測されている。
Photo_7http://blogs.yahoo.co.jp/ecofarmnango513/28529135.html

ウナギが、いつ、どこで産卵するのか、長いあいだ謎に包まれていた。
しかし、東京大学の塚本勝巳・大気海洋研究所教授らの研究グループが、2009年と2011年夏、ついにニホンウナギの卵の採取に成功した。
塚本教授は、広大な海原の中で、ウナギがいつ、どこで産卵するかを絞り込むため、2つの仮説を立てたという。

第1は「新月仮説」です。採れた仔魚が誕生して何日目であるかは耳石(の日周輪)を調べるとわかります。その結果、7月に採集された仔魚が孵化したのは5月と6月の新月の日とわかりました。ウナギの産卵は夏の新月の日に一斉におこなわれる。これが新月仮説です。

第2は「海山仮説」。過去の仔魚分布と海流の情報から、産卵場所は北緯15°付近、東経142°と143°の間と推定することができました。このあたりは4000mの深海底から富士山クラスの高い海山が海面にむかって嶺を連ねる場所です。こうした場所に特有の磁気や匂い、あるいは海流の変化をキャッチして雌雄のウナギが出会い、産卵するのではないか。これが海山仮説です。
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/todai-research/feature-stories/eel-eggs/

タカがウナギではあるが、されどウナギといった感じではなかろうか。

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