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2012年7月28日 (土)

過労死・過労自殺と労災/花づな列島復興のためのメモ(119)/因果関係(16)

因果関係を巡る話題が多い。
⇒2012年7月22日 (日):因果関係がはっきりしない事態への姿勢/花づな列島復興のためのメモ(116)

過労死・過労自殺の問題も、その1つといえよう。
Wikipediaによれば以下のように解説されている。

過労死(かろうし)とは、周囲からの暗黙の強制などにより長時間残業や休日なしの勤務を強いられる結果、精神的・肉体的負担で、働き盛りのビジネスマンが脳溢血、心臓麻痺などで突然死することである(最近は若者も多くなっている)。英語では元々work oneself to deathと普通に翻訳されていたが、日本の状況が欧米でも報道されることが増えたためそのまま「Karoshi」として翻訳されている。また、長時間労働による鬱病や燃え尽き症候群に陥り、自殺する者も多く、広義には、稀にこの「過労自殺」も含む用語として使われる場合もある。

いわゆる過労死・過労自殺は、経年的に増えてきている。
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http://webronza.asahi.com/bloggers/2011112200002.html

過労というのは、労働が過重であることである。
しかし労働災害であると認定されるのは、かなり困難であると想定される。
過労死・過労自殺と労働条件との間に「相当因果関係」があることが証明されなければならないからだ。
相当因果関係とは、社会通念上相当とみなせる因果関係であるが、社会通念というのがかなりファジーである。

過労により脳溢血、心臓麻痺に罹ったとしても、過労だけが原因とは一概には言い切れない。

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http://e-doc.xii.jp/archives/4623

個人的な要因、仕事以外の要因、仕事の要因を総合的に勘案して、脳・心臓疾患と仕事との間が、社会通念上認められるためには、200時間程度の残業が何カ月も続くといった状況があることが要件となろう。
ちなみに、一般的な場合、一ヶ月の時間内労働時間は、168時間程度である。
まして、自ら死を選んだ過労自殺は、意思による選択の問題もあるからやっかいである。
⇒2010年9月13日 (月):山田潤治氏の読み/江藤淳の『遺書』再読(4)
⇒2010年9月14日 (火):宮本光晴氏の読み/江藤淳の『遺書』再読(5)
⇒2012年5月15日 (火):金銭で評価し得ない被害の補償/原発事故の真相(28)

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