原子力ムラの中の民主党/原発事故の真相(36)
野田総理は、自分をドジョウにたとえて総理デビューをした。
誠実さをアピールしたかったようであるが、いまや川底に本性を隠しているわけにも行かないようだ。
何に使うのかはともかくとして、とりあえず消費税を上げさせて欲しい?
暫定的な安全だけど、原発は再稼働すべきだ、という表現にそっくりである。
⇒2012年6月 5日 (火):「なし崩し」に壊れていく「国のかたち」/花づな列島復興のためのメモ(77)
今朝の黒木亮『法服の帝国(321)』は、伊方原発訴訟二審の判決シーンである。
スリーマイル島事故については、福島第二原発一審判決同様、「事故は主として運転操作の誤りに起因するもので、本件安全審査の合理性に影響を及ぼすものとはいえない」とした。同事故の原因となった二次冷却水系の給水停止は「まず考えられない」と一審どおりの認定をし、ECCS(緊急炉心冷却装置)の有効性についても、「必要な耐震設計、多重防護が施されている」として、スリーマイル島事故によって無効が実証されたとする住民側の主張を退けた。
判決文は歴史の検証に耐え得なかった。
奇しくも産経新聞「正論」欄に、『原発「不信と否定の空気」変えよ』という京都大学原子炉実験所教授・山名元氏の文章が掲載されている。
山名氏といえば、原子力ムラの代表的な住人である。
「週刊朝日120615」号
山名氏は、次のように文章を始めて、野田総理の「英断」を賞賛している。
翌日に行われた産経新聞社とFNNによる合同世論調査では、再稼働への賛成意見が反対意見を上回り、原子力の「負の側面」に強く反応したまま推移してきた世論に対し、「正の側面」も含めた総合的な判断が必要であることを、国のリーダーが国民に訴えたことには意義があった。
http://sankei.jp.msn.com/economy/print/120615/biz12061503060001-c.htm
これ以上読む気もしなくなるような文章だが、次のような責任転嫁は看過できない。
「不信と否定の空気」が今後も続くと、多くの人材を失うことに繋(つな)がりかねない点も指摘したい。実際、東京電力はもちろん、電力事業や原発関連産業での技術者の流出が起こり始めていると聞く。文部科学省の調査によれば、全国の大学の原子力関係学部への入学者が2年連続で減少している。
「不信と否定の空気」が自然発生したわけでもあるまい。
司法までも巻き込んで原子力の「平和」利用を強引に推し進めてきたことの結果が、「不信と否定の空気」を生み出したことへの真摯な反省がない限り、もはや「不信と否定の空気」は消えないであろう。
山名氏を含む原子力ムラが「不信と否定の空気」の発生源であることに自覚はないのであろうか?
野田首相、枝野経産相(事故当時官房長官)、仙谷政調会長代理なども原子力ムラに住んでいることを下図が示している。
http://mirage365.blog.fc2.com/blog-entry-61.html
黒木氏の『法服の帝国』の全体構想は分からないが、昨日と今日の連載部分を読む限り、原発訴訟の判決に批判的である。
ひょっとすると、今日の産経新聞は、「原子力政策の正負」両面を考える上で、永久保存の価値があるかも知れない。
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