今後予想される未来図/花づな列島復興のためのメモ(97)
小沢民主党代表は、増税反対を主張したが、衆議院で大差で可決したことにより、政策論争に負けた。
それは事実として認めなければならない。
朝日新聞等のメディアは、衆議院での政争を、もっぱら政局として見ていないようであるが、やはり今消費税率を上げるべきかどうかをめぐって争われた政策論争が軸であったと考えるべきであろう。
小沢憎しという眼鏡が、偏った見方をさせているとしか思えない。
そうでなければ、増税に反対票を投じた他の政党(議員および支持者)に対しても失礼であろう。
野田総理が自民党に擦り寄った時点で、大勢は決したのである。
公明党も、乗り遅れまいと相乗りした。
民主党は、「総理が政治生命を賭けるといっているのだから」という不思議な論理で多数が同調した。
3年前の主張を何ら反省することもなく。
吉本隆明氏が『前世代の詩人たち』等で、戦中の言動を何ら反省することなく、抵抗者のような顔で戦後の活動を開始している文学者を断罪したことを思い出す。
⇒2012年3月16日 (金):さらば、吉本隆明
⇒2012年6月 5日 (火):「なし崩し」に壊れていく「国のかたち」/花づな列島復興のためのメモ(77)
日本の政党を検索してみた。
いまさらながら、数多いのに驚く。
残念ながら、少数政党はメディアへの露出も少なく、その主張を聞く会が限られている。
しかし、代表的な(?)少数政党である新党大地・真民主の松木兼公氏が次のように言うのには、肯かざるを得ない。
新党大地・真民主の松木謙公代表代行は26日の衆院本会議での消費税増税法案の可決について「民主党のかなりの方々が平気なお顔で賛成されたことにかなりショックを受けた。むしろ、民主党議員で賛成できるという感覚のほうがよくわからない」と批判した。
そのうえで「3年前の前回の衆院選で民主党が増税する政党だと思って投票した人はそういなかったはずだ。3年間で何か増税しなければいけないという大きなことはなかった。あれだけ多くの人が本当は増税だが、選挙のために増税を言わずに戦ったということになる。残念だ」と述べた。国会内で記者団に語った。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120626/mca1206261934042-n1.htm
本当に、「3年前の前回の衆院選で民主党が増税する政党だと思って投票した人」はどれ位いるのだろうか?
念のため言えば、私は、新党大地・真民主の支持者でもないし、松木兼公氏を好ましいと思って見ていたことはない。
スジ論として、肯くということである。
野田首相が民主党の代議士会で、「年金、子ども関連の法案は修正はあったが、勝ち取ろうとしたことは、しっかり勝ち取った。政権公約で掲げた最低保障年金も後期高齢者医療制度の廃止の旗は降ろしていない」と強弁した。
⇒2012年6月26日 (火):消費税増税は衆院で可決された/花づな列島復興のためのメモ(94)
しかし、楽天証券経済研究所客員研究員の肩書の山崎元氏の見方違う。
一体改革法案は、不十分ながら景気に配慮して実施する条項が付いたり、民主党なりの年金改革案が付いたりするなど、民主党の政策と議論をいくらか反映した形で提出されたが、自民・公明両党と三党で協議するプロセスで、消費税率引き上げを実施するため以外の重要事項は、木っ端微塵に粉砕された。
ダイヤモンド・オンライン誌2012年6月27日号
まったくその通りであろう。
野田総理の言葉には、滑舌はいいが魂が感じられない。
山崎氏は、社会保障を今後検討することになる社会保障制度改革国民会議について、次のように予測する。
社会保障制度改革国民会議は、通常の審議会がそうであるように、官僚に都合よく利用されるだけの「仕掛け」になるはずだ。長いものに簡単に巻かれる、民主党の「中間派」の腰引け議員さんたちが主導権を取ることなど、夢のまた夢だろう。
なんとも暗澹たる未来図である。
菅前首相以後、わが国財政は、「このままでは、ギリシャになる」というのが、ごく一般的な理解のようである。
街頭インタビュー等でも、「将来世代のためには、増税を受忍しなければ・・・」という声が多いようだ。
しかし、古賀茂明氏は、逆の主張である。
「ギリシャにならないために増税」「将来の安心のために増税」っていうキャッチフレーズで、何となく国民の皆さんもやっぱり財政が大変だという理解はある程度深まっている。「やっぱり増税、しょうがないな」と思っている方も多いと思うんですね。ですが、私が今日申し上げたいのは、いまのまま増税していけば確実に「ギリシャへの道」だということです。つまり財務省は「ギリシャにならないために増税だ」と言っていますが、私は「いまのまま増税すればギリシャへの道だ」と反対のことを言っています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/26804
野田総理は、歴史に名を残すことになるかも知れない。
自分の政治生命を、増税と原発に賭けた総理大臣として。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
「思考技術」カテゴリの記事
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 横畠内閣法制局長官の不遜/安部政権の命運(91)(2019.03.12)
- 安倍首相の「法の支配」認識/安部政権の命運(89)(2019.03.10)
「花づな列島復興のためのメモ」カテゴリの記事
- 公明党の存在理由/花づな列島復興のためのメモ(336)(2014.06.29)
- 2014年W杯敗退の教訓/花づな列島復興のためのメモ(335)(2014.06.28)
- 「失言」体質と自民党の病理/花づな列島復興のためのメモ(334)(2014.06.26)
- ホンネの表出としての失言/花づな列島復興のためのメモ(333)(2014.06.23)
- 品位を欠く政治家にレッドカードを!/花づな列島復興のためのメモ(332)(2014.06.20)
この記事へのコメントは終了しました。

コメント